贋作桃太郎 百桃かたり(歌舞伎座ギャラリー)

3月10日(日)に、歌舞伎座ギャラリーで

こども歌舞伎スクール寺子屋成果披露公演

オリジナル舞踊劇「贋作桃太郎 百桃かたり」

戸部和久 脚本、藤間勘十郎 演出・振付

を観劇。

12:30開演と15:00開演の2回公演あったのを、2回続けて見た。

舞台は、横長の本舞台に、左右端には短い花道を設置。客席は、前方が桟敷席で座布団を並べて4列。その後ろが長椅子になっていた。

後方と端に並んでいたパイプ椅子は、関係者(保護者)だったのかな。

こども歌舞伎スクール寺子屋が、有料での成果披露公演を行なうのは今回がはじめて。「百桃かたり」の一般発売分のチケットは、発売して2時間ぐらいで、2回公演とも売り切れになっていたと記憶している。


上演時間は、約40分。明快で、無駄なく、テンポよく進んで、とてもおもしろかった。

この披露公演のためのオリジナル脚本というだけあって、子どもたちが演じるのに相応しいつくりなのがいいな。

桃の都、っていう設定も、なんだかももももしていて、ももももして来る感じ。


桃太郎は凛々しかったし、百桃姫はかわいかったし、百桃姫の家来の左・右大臣コンビがおもしろかったし(百納言は挙そやセリフがいかにも狂言師ふう、百麻呂は佇まいに味があった)、百合姫(常夜御前)に敵役らしい存在感。

桃太郎の家来のなかでは、女の子の雉(雲井の浮路)がひとりで鬼ふたりを相手にするなど、美味しい役だったかも。役の設定としても、雉は女の子になっていて、犬と猿は男の子。


(偽者の桃太郎と百合姫にだまされた)百桃姫が、気が多い桃太郎に怒って、桃太郎からもらった守り袋なんかいらないとばかりに中身を投げつけたら、それが豆だったので、節分よろしく鬼が苦しんで正体を現すっていうのが、おもしろかった。


1回目の公演では、カーテンコールで手ぬぐいが飛んで来た。膝の上にボンと飛んで来たが、手ぬぐい撒きがあるなんて予想していなかったので、いきなり!って感じで、誰が投げてくれたのかは分からず。

この手ぬぐい、広げて見れば一目瞭然な、なかなか激レアな手ぬぐいなのである。ま、たまには、かようなよきこともあるわいなぁ。

宿口詩乃ちゃんの踊りを間近で見られたし、(昨年、あるいは一昨年の)KAAT神奈川芸術劇場での若手舞踊公演で活躍していた3人をまた同じ弥生月に見られて何より。



公演の様子。↓

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