職業としての地下アイドル/黒い小鳥


9月の朝日新書の新刊だった、

姫乃たま「職業としての地下アイドル」(朝日新聞出版、780円+税)

https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=19329

地下アイドル兼ライターの著者自身の経験や見聞に加えて、著者が複数のライブ会場で収集したアンケート(記入形式で、地下アイドル104人、地下アイドルのファン109人が回答)をもとにして、地下アイドルの実態や意識、地下アイドルとは何かについて考察した本。


この本を読んで意外だったのは、地下アイドルって、思ったより収入が多いってこと。

あくまでもアンケートの回答(14歳〜35歳、平均年齢21.6歳)に基づくとはいえ、地下アイドル活動のみでの平均月収が、12万7千円(いちばん少なくて3千円、いちばん多くて60万円)もあるって。

著者は、この平均月収を、予想よりも少ない結果だったと書いているが、私なんかは、(地上)アイドルでもよっぽど売れない限りは収入なんて微々たるものなのだろうな、と思っていたので、地下アイドルなのに(むしろ地下アイドルだから?)ちゃんとそこそこ収入があることに、びっくり。平均額で見れば、アルバイトなんかするよりは、よっぽどいい金額に思える。




重本ことり「黒い小鳥」(鉄人社、1296円+税)

https://tetsujinsya.co.jp/nonfiction/2060

を、この前書店で見かけたので、買ってみたら、重本ことりちゃんがひとり暮らしをはじめて、部屋代を引かれると事務所からの給料が2万円で、仕送りの3万円と合わせて5万円。高校の学費も事務所からの借金で、働いても働いても楽にならない、栄養失調で倒れたこともあったと書いてあった。CM契約をしていたイトーヨーカドーがいろいろな日用品をくれたり、食材ももらえて、それでずいぶん助かった、とか。

「ようかい体操第一」が売れたときにボーナスが振り込まれ、『高級時計がいくつか買えるくらい』の金額だった。とあるのは、具体的にいくらなのだろう?