貴婦人の訪問 プレビュー公演(THEATRE1010)


ミュージカル「貴婦人の訪問」

(演出:山田和也、翻訳・訳詞:竜真知子)


7月28日(火)に、シアター1010でのプレビュー公演を、昼・夜2ステージ観劇。

3日間あったプレビューの2日目で、昼は、午後1時30分開演。夜は、午後6時30分開演。

プレビュー公演のタイムテーブルは、第一幕 1時間15分、幕間20分、第二幕 1時間で、トータル2時間35分と掲示されていた。

公演プログラムは、1600円。

音楽は、下手側のソデで、生演奏。(ただし、私の座席からは、楽団は全く見えなかった)


この「貴婦人の訪問」の原作である戯曲(老貴婦人の訪問 ─悲劇的な喜劇─)は、寓話として書かれているとのことなので、このミュージカルでの登場人物のえがかれ方や、理不尽で救いがない物語も、そのように受け取ればいいのかも知れないけれど、それでも、後味の悪さはいかんともしがたい。こういうお話は、標的となり、追いつめられる人物が権力者でないと、見ていてすっきりしないところがある。

閉塞的な街で起こる、ある種のホラーとして見るのがよいのかも。

たとえば、ストーリーが、クレア(涼風真世)の復讐譚として徹底していれば、それなりにおもしろいと思うが、クレアはいまだに自分を棄てたアルフレッド(山口祐一郎)に対する想いがあるために気持ちが揺れるし、アルフレッドは街の雑貨屋の主人で、いかにも小市民的人物であり、友人の市長(今井清隆)や警察署長(今拓哉)をはじめ、街の人びとから裏切られ、追いつめられ、妻のマチルデ(春野寿美礼)からも見放されるので、彼がいちばんの被害者に見えてしまうのだ。

あの結末で、クレアは本当に満足なのか、という疑問も抱いてしまう。

クレアが飼っているペットの黒豹は、アルフレッドを投影したものだから、第一幕で射殺される黒豹には、そのまま、アルフレッドの運命が重ねられている。


ルフレッドって、オリジナルでは、どんな人物なのだろう。アースノーマットのおじさんがメガネをかけてペンギンごっこをしているようなひと、ではないよね、きっと?

この日の夜公演では、二幕で、ゲルハルト(警察署長)がアルフレッドに渡す銃を持たずに出て来たらしく、銃がないのでその代わりに薬(毒薬)を渡すというアドリブで乗り切っていた。見ている側には、おもしろいハプニングだった。


子役のレーナは、昼が、青木璃乃さん。

夜が、日浦美菜子さんの出演だった。

学年がひとつ上の、日浦美菜子さんのほうが背が高いですね。

青木璃乃さんは、小学4年生。プログラムには、『1年前から歌・ダンス・演技のレッスンを本格的に始め、初のオーディションで本作品に合格する。』と書かれているので、過去に出演歴のあるミュージカルスクエアでレッスンをはじめた、ということなのかな?
ダンスをきれいに踊っていて、かわいい子だった。

レーナは、地毛でやっているらしく、日浦美菜子さんと青木璃乃さんでは髪の長さも、髪形もちがっているので、そのふたりのちがいも見どころでしょう。日浦美菜子さんのレーナの髪が、ふたつしばりだったのもかわいかった。

幕が開くと、いちばん最初に、舞台奥から前へ出て来るのが、子役のレーナ。トータルで3場(+カーテンコール)ある出演シーンは、同じ衣裳。
校長(石川禅)とのやりとりでは、短いけれどソロのフレーズがある。

カーテンコールのレーナは、レーナの母(河合篤子)といっしょに出て来て、キャストが並んだときは、母役の前に立つかたち。

終演が午後9時を過ぎていた夜のステージでは、レーナは、カーテンコールには登場しなかった。
ので、夜公演では、1回目のカーテンコールまで見て、音楽になったところで席を立った。(だって、シアター1010は、下の丸井が閉店しちゃうと、エスカレーターでは下りられないよね? 早目に劇場を出たので、終演後の混雑を回避出来て、エレベーターですんなり出られた)


外国の話ではあるが、レーナは、昭和の女の子みたいな吊りひも付きの赤いプリーツスカート。ずっと赤い長靴(レインシューズ)を履いていた。

どうして、レインシューズなのだろう?と思っていたら・・・

梅田芸術劇場のサイトに出た大阪公演のPR動画の舞台映像を見ると、青木璃乃さんのレーナが、ストラップの靴を履いている場がありますね。この舞台映像は、私が見たステージの前なのかな、後なのかな?(さて、本公演では、レーナの靴はどうなっているのでしょう)