明治座新春特別公演「春日局」の子役


明治座新春特別公演

春日局

(原作・脚本:橋田壽賀子、演出:石井ふく子)

1月2日(金)初日〜1月23日(金)千秋楽

出演の子役は、いずれもダブルキャストで・・・


竹千代: 加藤清史郎・土師野隆之介
千熊: 高世浩志・尾名正成
君丸: 佐藤宏次朗・池端昂暉
国千代: 坂本虎旺・山口れん
七之丞: 福田徠冴・北原十希明


この舞台は、竹千代(のちの徳川家光)役に、知名度のある子役がキャスティングされていて、子役としては扱いも大きいけれど、子役・竹千代の出演シーンは、第一幕に2場しかない。

子役のなかでは、おふくの子どものうち、千熊がいい役だと思う。

もちろん、舞台に出ている時間の長短や、セリフの多い少ないとは別に、役の格というのもあるから、そういう意味でも竹千代が上なのだろうけど。

国千代(竹千代の弟・のちの忠長)は、いちどの出番の演技で、役柄の性格設定が如実に表現されるおもしろい役。

子役の出番はいずれも第一幕。


この舞台は、もともとは、大河ドラマ春日局」の舞台版として上演されたものらしいから、当時の観客には、ドラマと同じ顔ぶれ、別の主演者など、配役の同異も含めて、ドラマを実演でふたたび味わうという楽しみがあったのだろう。
ただ、いまとなると、あまりにもダイジェスト的で、抜粋したシーンをナレーションでつないでいるといった印象が濃い。
成長して三代将軍となった家光が、吉原通いをして遊女と恋におちるというのは、のちに、家綱となる子をなす側室が、その遊女にそっくりというあとのエピソードとつながってこそのおもしろさでもあって、ただ、若き将軍と遊女の悲恋だけでは、いささかフィクションが過ぎると感じてしまう。

第一幕の踊りの場面の鳴り物は、出演者がじっさいに演奏していた。第二幕の吉原での太鼓、三味線の演奏もしかり。

ナレーションのクレジットは見あたりませんが、奈良岡朋子さんですね。


上演時間は、第一幕 1時間25分、幕間 35分、第二幕 1時間20分

明治座に着くと、エントランスロビーに、土師野隆之介くんの受付が出ていた(劇場のロビーに子役の受付が出ているなんて、歌舞伎の家の子役以外でははじめて見たかも)。たくさんチケットを扱ったのかな?それとも、1月3日は、土師野隆之介くんの初日だったがゆえのことだろうか。

カーテンコールは、なし。