ビリー・エリオット ミュージカルライブ/リトル・ダンサー (TOHOシネマズ有楽座)


TOHOシネマズ有楽座に上映館を移して上映中(その後は、みゆき座にまた場所を移す模様)だった、

映画「ビリー・エリオット ミュージカルライブ/リトル・ダンサー

http://littledancer-m.com/

を見た。

12月18日(木)の、11時45分〜の上映回。

18日は、「モーツァルト!」を見る前に、「モーツァルト!」を見ようか、この「ビリー・エリオット ミュージカルライブ」を見ようかと、けっこう悩んだのだったが、結局、これを見ることにしたのだった。


現地時間9月28日のロンドン公演を世界配信したものを、日本語字幕版として上映。

舞台の中継がはじまる前には、ビリー役の少年が、舞台裏を案内したり、共演者のちょっとしたコメントがあったり、開演前の客席の様子も映し出されたりする。現在(=配信時)は、4人のビリー役で、週8ステージを上演しているとのこと。

ビリー・エリオット」が上演されているウエストエンドの劇場は、映像を見たところ、客席が3階まであって、さらに、1階と2階の間には、(日生劇場グランドサークルような)中2階もあるみたい。

このミュージカルは、幕開きでは小さい男の子の子役が客席側から舞台に上がって来てはじまり、幕切れはビリーの客席降りになり、旅立つビリーを見送るマイケルの姿(自転車に乗っている)で幕が下りる。


この映画は、ライブ配信の映像ということなのだが、日本の舞台公演を中継した映像とはかなり異なる印象だ。カメラがものすごく近い感じだし、いわゆる引きの映像が少なくて、これは本当に生の公演映像なの?配信用に収録したものが混ざっているのでは?そう思うところもあるが、じっさいはどうなのだろうか。
それと、マイクが見当たらない。マイクはどこにあったの?

振付が斬新というかめずらしくて、他ではあまり見たことがないようなダンスシーンが展開する。主役のビリーはもちろん、バレエガールズの子役たちのダンスも秀逸なのだが、炭坑の大人たちとビリーや子役たちのダンスが交錯したり、融合するダンスシーンが、これまた圧巻。ビリーが椅子を使って踊るところや、フライングシーンも印象的。ダンスシーンだけをダイジェストして、もういちど見てみたいな、と思った。

ダンスとしては、バレエだけでなく、タップのウエイトが大きいのも特徴。

主役のビリーはいうまでもないが、子役として次にいい役なのは、ビリーの友人の少年・マイケル役。タップが踊れることに加えて、コメディセンスも必要だろう。女の子(11人登場していたかな)では、バレエ教師の娘役が、いちばんいい役。


螺旋階段の上にあるビリーの部屋が迫り上がったり、バレエ教室のトイレと、マイケルの部屋は、必要なときに引っぱり出して、シーンが終わると押し込むのも、おもしろかった。

その評価はともかくとして、長期間、首相の座にあった人物のことをステージエンターテインメントのなかであんなふうに使うのは、たとえば、日本の興行の世界では、もっと年月が経過した後でなければ、おそらく出来ないことだろう。


ビリー・エリオット」というミュージカルは、いざ見てみると、炭鉱の町を舞台にしているとあって、男くさいというか、泥臭いところのある作品なのだね。

日本でいえば、もし「青春の門筑豊編の伊吹信介が、バレエをやったら、みたいな。・・・いや、そんなに時代が旧くはないか。でも、日本の作品で炭鉱とダンスということなら、「フラガール」は比較対象になるかも。「ビリー・エリオット」はサッチャー時代の話だから、それほどむかしでもないですよね。

ビリーの名前は、ウィリアムだって。