売らいでか! 亭主売ります(シアター1010)


新版 喜劇「売らいでか! 亭主売ります」
 岸宏子 原作(「ある開花」より)
 花登筺 脚本、楠美昌 監修
 野田昌志 潤色、池田政之 演出


1月23日(木)、24日(金)に行なわれたTHEATRE1010公演から、1ステージを観劇。

昨年の「人生は、ガタゴト列車に乗って・・・・・」と同様に、『浜木綿子芸能生活60周年記念』の冠が付いている。

シアター1010公演の上演時間(ロビー掲示のもの)は、
 第1幕 1時間20分、休憩 20分、第2幕 1時間15分

公演プログラム、1000円。
シアター1010公演のほか、金沢、大阪新歌舞伎座、高知公演共通のプログラムのようで、それらの公演日程や、大阪新歌舞伎座の公演案内も載った内容。前回(2011年)公演のプログラムと同様に、出演者の名前にはふりがなが振ってある。


プログラムによれば、「売らいでか!」は、大阪新歌舞伎座での、2月9日(日)夜の部で、昭和43年初演以来の通算上演回数が500回を迎える、とのことである。


子役の山内まり子役は、過去ログ(http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20140114/p2)のとおりで

細田ひなた(ほそだひなた)・大川春菜(おおかわはるな)

の交互出演。

私が見た回は、大川春菜ちゃんが出演していた。三つ編みで、かわいい。


他の配役も書いておくと、

浜木綿子(山内なつ枝)
左とん平(山内杉雄=なつ枝の夫)
加藤茶(石上太郎=神代産業・支配人)
大空眞弓(神代里子=神代産業当主・未亡人)
正司花江(ぎん=なつ枝の姑)
大和悠河(きく子=神代家の女中)
青山郁代(敬子=神代産業・事務員)
小野寺丈(石上弘=太郎の弟)
臼間香世(節子=神代産業・事務員)
荒木将久(南出=元校長)
幸木三果(すみ子=神代家・女中)
木高一成(中山=銀行支店長/下駄屋の亭主/神代産業・事務員)
池田貴宏(川口=神代産業・事務員)
渕真弥子(きみ=神代家・女中)
渡辺由紀(富永かず子=杉雄の兄・松雄の戦友の妻/雑貨屋の女房/神代産業・事務員)
高田喜代音(幸子=応募に来た娘)




前回の観劇時よりも、今回のほうがおもしろく見られたのは、自分が3つ年をとったせいもあるかな。

『3分に一度の大爆笑!!』というチラシの惹句は大げさに過ぎるとしても、けっこう終始クスクスと笑えるのだ。ちょっとしたセリフが妙におもしろいし、それに、左とん平加藤茶のご両所などは存在そのものが芸になっていて、セリフに詰まったりいいまちがえたりしても、それがそのまま可笑し味になって、それで通用しちゃうのだから。

3年前に見たときにも思ったのだが、カーテンコールでうたわれる「売らいでか!」の主題歌が楽しいなぁ。どこかで、聴けないものだろうか。

なお、カーテンコールでは、手ぬぐい撒きがあった。


プログラムでは、潤色者が原作についてふれている。原作者の岸宏子という作家は歴史小説の書き手だったというのを読んで、観劇後にその本を検索してみた。「尾張の柳生家」とか「荒木又右衛門」「阿国と山三」「斎藤道三」「九鬼水軍物語」「藤堂高虎」「本居家の女たち」などなど、なかなかおもしろそうな著作群であるが、ほとんどが(「売らいでか!」の原作になった)「ある開花」と同様に、新刊では入手出来なくなっている。