松平長七郎


先日、国立劇場大劇場で、

初春歌舞伎公演「通し狂言 三千両初春駒曳(さんぜんりょうはるのこまひき)」

を見た。12時開演で、終演が15時55分。

公演プログラム、800円。

他に、資料集は出ていたが、上演台本は売っていなくて、どうしたのかと思ったら、今月は、10日から販売するとの貼り紙がしてあった。私が行った日は、1月9日(木)だったので、翌日からは台本も販売したのかな。といっても、台本を見たくなるほど、おもしろい芝居ではなかったのだが。

「大久保武蔵鐙」にある松平長七郎や、本多正純の宇都宮釣り天井の話を太閤記の世界に置き換えて、信長の後嗣をめぐる争いとして芝居にしたのが、辰岡万作 作「けいせいはるのとり」で、それを原作に補綴したのが今回の「三千両初春駒曳」ということだけれど、原作では、3派による対立を、真柴久吉(秀吉)派と柴田勝重(勝家)派の2派に絞ったとあって、筋立てとしては分かりやすかった。ただ、その分、歌舞伎でよくあるお家騒動ものの二番煎じっぽい感じもしてしまう。
柴田勝重が双子という設定で同じ役者が大敵と善玉とを演じ分けるのはおもしろかった。

松平長七郎(芝居では信長の三男・小田三七郎信孝)が主役という位置付けには違和感があったが、このお芝居って、結局のところは、午年の初芝居に「馬切り」を出すというのが主眼なのだね、きっと。今回の「馬切り」は、だんまりふうの立ち回りだった(が、片岡仁左衛門家の「馬切り」はどんな演出なのかな?見たことないけど)。


ところで、上演記録を見ていたら・・・今回の音羽屋の「三千両初春駒曳(さんぜんりょうはるのこまひき)」や、松嶋屋の「三千両黄金蔵入(さんぜんりょうこがねのくらいり)」とは別に、大森痴雪 作の「松平長七郎」という芝居があって、やはり過去には松嶋屋松平長七郎で上演していて、配役を見ると禿ちゃんも出ていたりして、そっちの「松平長七郎」のほうがなんだかおもしろそうな気がするなぁ…。

今度行ったら、資料集を買って来て、少しくこれに関する知識を増やそう。第13回伝統歌舞伎保存会研修発表会に行くつもりなので、そのときにでも。


帰りは、劇場バスで。すぐに日比谷に到着。もっと前から、帰りは劇場バスに乗るべきだった。すごい便利。