NHK東京児童合唱団60周年記念第41回定期演奏会1 瞳にひかりを…こどもたちの歌声(東京文化会館 大ホール)
NHK東京児童合唱団が、1952年に東京放送児童合唱団として発足以来、60年を迎えたとのことで、今年の定期演奏会は、その記念と銘打たれている。
N児の定期演奏会といえば、近年は、東京オペラシティコンサートホールで、秋の土・日曜に、同じプログラムで計2ステージが行われていたが、今回の60周年記念第41回定期演奏会は、9月に「1」、来年3月に「2」と、2回にわたって、それぞれ1ステージずつ、別会場・別プログラムで演奏される。
まずは、9月22日(土・祝)に、東京文化会館大ホールで、
NHK東京児童合唱団 60周年記念 第41回定期演奏会1 瞳にひかりを…こどもたちの歌声
が演奏された。
午後5時開演。上演時間は休憩込みで、3時間弱。
プログラムは、前半が、合唱曲。休憩後の後半が、世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」。60周年記念とあって、ジュニアクラス、シニアクラス、ユースシンガーズに加えて、合唱団OG、OBの参加もあり。
演奏曲は、
山本純ノ介:童声合唱のための組曲「西風来来」
1.西風来来
2.ほろ馬車でいこう
3.落ち葉のワルツ
4.二つの遊び歌〜ゲシュメグの唄、クリスマスツリー〜
5.氷のカリンカ
N児が選ぶ日本の歌50選
1.村祭り
2.虫の楽隊
3.出船の港
4.東京音頭
5.夕焼け小焼け
6.ふじの山
三善晃:こどものための合唱曲集「光のとおりみち」
1.めんどり団地のレグホンおばさん
2.麦藁帽子
3.小鳥の旅
4.音あそび
5.えびがはねたよ
6.やがて秋‥‥
7.雪の窓辺で
ジョン・ラター:「マニフィカト」より Magnificat anima mea、「God be in my head」、「A Clare Benediction」
≪ 休憩 ≫
カール・オルフ:世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」
(蒔田尚昊 編曲、飯塚励生 演出)
なんといっても、休憩後の、世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」が、壮大。ピアノ2名、パーカッション6名がオーケストラピットで演奏。
児童合唱団らしさと、大人数のメンバー+3名のソリストがうたう重厚感とが融合した、スケールの大きい、ダイナミックなステージを体感した。この「カルミナ・プラーナ」は再演で、1998年にN児の上演のために編曲されたものだとか。
休憩中の、「カルミナ・ブラーナ」のための舞台準備の様子も、見ていておもしろかった。会場の東京文化会館 大ホールは、オーケストラピットが常設されていて、使用しない場合は、オーケストラ迫りが上がったかたちでステージの一部になっている。その、オーケストラ迫りの上に、指揮台、ピアノやパーカッションの楽器、照明機材等が次々に並べられる。そして、並べ終わると、オーケストラ迫りが下がって行き、ピットの出来上がり。これは、休憩時間まで見どころがある公演だなぁ、と思った次第。
前半のプログラムでは、楽曲に合わせてのちょっとした演出が楽しく、N児が選ぶ日本の歌50選で、旧懐なうたをアレンジの面白さ、新しさで、フレッシュに聴かせたのも印象的。
さて、来年、3月30日(土)に予定されている、NHK東京児童合唱団60周年記念第41回定期演奏会の2回目も、プログラムを見ると、おもしろそうである。
なかでも、伊藤キムの演出・振付による「ハーメルンの笛吹き」(鷹羽弘晃 作曲)、オーケストラと共演の「子どものためのオラトリオ」(信長貴富 作曲)は、どんなステージングで演奏されるのか。期待されるところ。