食堂かたつむり


ある日のことです。某書店に、小川糸「食堂かたつむり」の文庫本が積み上げられたコーナーがありました。そこには小振りのモニターがあって、映画の予告編をリピートしていました。その予告編には、女の子=子役の倫子(佐々木麻緒ちゃん)が石を投げて、鏡をぶち割るシーンがありました。その演技のインパクトに惹かれて、この映画を見ようと思いました。

ということで、原作は読まないが、水曜日(一昨日)に、

映画「食堂かたつむり」(富永まい 監督)
http://katatsumuri-movie.jp/

を見て来た。


浦和パルコの上にあるシネコンで見ようという算段だったが、時間の都合で、さいたま新都心シネコンに鞍替えした。水曜日はレディースデーとかで、けっこうな混み具合。

タツムリやなめくじの類は大嫌いなので、本物がどアップで映ったりしたらどうしようかと思っていたが、幸いに、そういう画はなかった。


倫子(柴咲コウ)が声を失って、母・ルリコ(余貴美子)のもとへ戻って来るまでの経緯を、映画の冒頭の短い時間で、ミュージカルふうにテンポよく見せる件りから、軽快でおもしろい。この映画は、倫子が作る料理とともに、音楽がポイントだ。


子役倫子が鏡に投げつけるあの石には、オカンの顔が描かれている。佐々木麻緒ちゃんの「そばかす」が、かわいい。

志田未来ちゃんが来ていた制服(ジャケットのえりに特徴がある)が、とてもステキ。スカートの色づかいもめずらしい。この冬服のほかに、夏服のシーンも楽しめる。クレジットには、コード服装とあった。

で、「ジュテームスープ」のハート型の器は、どうして、女の子のほうが大きいのだろう?…気になる。女の子にたくさん食べさせることになるのに、それで、いいのかな。

劇中の料理のなかでは、ネオコン(田中哲司)が1万円払う、あのお茶漬けがどんだけ美味いんだか、食べてみたい!

倫子の料理を食べるうち、どんどん表情が変わって行く、お妾さん(江波杏子)の変貌ぶりが印象に残る。


ブタだからこそではあるが、自身の余命がいくばくもないと知ったルリコが、エルメスを食べてしまうことにする、その決意に説得力を感じた。ペットとして飼っていた生き物を食べるというのはどうかとも思うが、飼い主に残された時間が少ないと知ったとき、ペットのいのちにどう責任を持つべきなのかを考えさせられる。


パンフレットは、600円。買わなかったが…買って来れば、よかった。子どもカップルの、男の子のほうの名前を見損ねた。女の子は、クレジットからして、楊詩帆莉ちゃんだよね。エンドロールでのキャストチェックは、1回見ただけでは、漏れが出てしまうのは避けがたい…。
※この件、情報をいただきました。↓
http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20100212/p1#c


食堂かたつむり」特集ページ(Yahoo!映画)
http://event.movies.yahoo.co.jp/theater/katatsumuri/