少年B (こまばアゴラ劇場)


4月19日(日)に、こまばアゴラ劇場で、

キレなかった14才♥りたーんず(http://kr-14.jp/)参加作品
「少年B」(作・演出:柴幸男)

を観劇。

井上みなみさんという女の子を見てみたくて、足を運んだ次第である。

 過去ログの
  「井上みなみさん」→http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20090216/p1
  「井上みなみさん (その2)」→http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20090326/p1


「キレなかった14才♥りたーんず」は、神戸で男子中学生による連続殺傷事件が起きたとき、犯人の少年と同い年だったという演出家たちが中心となっての企画で、期間中に6作品が交互上演される。

「少年B」は、計6ステージあって(※5月5日(祝)12時〜追加公演が入って7ステージになった模様)、4月19日はその最初のステージ。午後7時30分開演。

上演時間は、75分ぐらい。


こまばアゴラ劇場で芝居を見るのは、はじめて。

むかし、某アイドルグループがこまばエミナースを主会場にしていた頃、それを見に駒場東大前にはよく来ていたが(90年代前半のこと)、ある日、そのステージとステージの合い間の時間をつぶすために、駅の近辺を散策していたら、こまばアゴラ劇場の前を通りかかって、あ、これが平田オリザの劇場かと思って外観を眺めた記憶があったので、その記憶をもとに歩いたら、無事に劇場に着いた。商店街のなかにあるのね。

開演の40分前〜受付。開演20分前〜入場。自由席だが入場は整理番号順で、具体的なことは分からないが、私のような一見の客(一般発売開始後に予約した)よりも、劇場の支援会員等の常連さんが優先されるのかな。


今回の企画にちなんだらしい「りた→んず」という雑誌を800円で売っていて、「少年B」の戯曲も載っているというし、値段も手頃だとは思ったが、結局、買いそびれた。(普段行く劇場とはちがい過ぎて、なんとなく気後れ(笑))

劇場のなかは思っていたより狭く、客席部分はひな段状に組まれたベンチ形式の座席。チラシの束が置いてあるので、それを取って、その場所に座るかたち。チラシ類といっしょに、公演のクレジットと「少年B」のキャスト5人+演出家の作文が載った二つ折りの紙。


「少年B」は、いまはすっかり大人になっていて、演劇をしているという男が、自分の中学生時代のことを語る、といった内容で、中学時代のエピソードが、彼の「空想」を交えながら、主に、同級生の男子3人、女子1人とのやりとりで進行する。

彼が空想に走るのがリアルで、面白い。空想する内容やシチュエーションはちがっていても、ああいう空想あるいは妄想は、程度の差はあれ、だれにでも経験があるはず。その空想を肥大化させるのではなく、現実との背中合わせで見せて行くことで、思春期の少年の心象を上手く表現していると思った。自分もそういえば、いろんなことを頭のなかで考えていたっけなぁ…と我がことの過去をひも解きたくなる、そんな芝居だ。

上演時間、1時間15分というのは、ちょうどいい具合。というか、もっと長くなると、座席環境からして見ているのがしんどくなりそうである。


髪形から上履きまで中学生そのものな制服(というより公立中学校の標準服)姿の井上みなみさんが、なかなかいい。見に来てよかった。


だけど、この手の演劇というのは、キラリ☆ふじみでも思ったが、商業演劇の類とは、見事なくらい客層がちがう。演劇にたずさわっていたり、やりたいと思っていたり、演劇マニアだったり、あるいは演劇やその周辺の関係者といったひとが多く見に来ている印象で、私のような単に見るだけの人間は、おそらくかなり少数ではないか。


この日は「少年B」のあと、キレなかった14才♥りたーんずの演出家によるポストパフォーマンストークがあったのだが、時間の都合もあり(また、座っているのが辛くなりそうでもあり)、芝居が終わったところで帰ることにした。