東京バレエ団「白鳥の湖」(全4幕)


3月15日(日)に、ゆうぽうとホールで

東京バレエ団白鳥の湖」全4幕

を見た。

3月14、15日に、若手特別公演も合わせて計3ステージあったうちの3ステージ目で、オデットとオディールを別のダンサーが踊る配役。

午後3時開演。第2幕と第3幕の間に、20分。第3幕と第4幕の間に、10分の休憩があって、上演時間は、およそ2時間45分。終演は、午後5時48分ぐらい。

主な配役は、バレエ団の公式サイト内(http://www.thetokyoballet.com/news/)にあるとおり。子役は使っていなかった。


公演プログラム、1500円。


ロビーの物販で、森田稔『永遠の「白鳥の湖」―チャイコフスキーバレエ音楽』(新書館)

を売っていたので、欲しいな、と思ったが、買おうかどうしようかさんざん迷って、辺りをうろついた挙句(笑)、やめてしまった。ゆうぽうとへ来る前に別の本を買っていたので、荷物になるのが嫌だということもあったのだが、帰宅後、買わなかったことをかなり後悔。


オーケストラピット使用で、1階客席は、1列が最前列。3列目で、見やすくてよかった。でも、どうして、1列、2列に、あんな空席があるのだろう?(票券関係は、ジャンルに限らず、謎がつきものだ)


東京バレエ団の「白鳥の湖」は、今回、初鑑賞。


第1幕。

王子(木村和夫)の友人らしい友人は登場せず、パ・ド・トロワの男性ダンサー(松下裕次)が多少それらしいのみである。

道化(小笠原亮)が出て活躍するのだが、第1幕では、いろんなシーンに首を突っ込み過ぎて、道化の存在が鬱陶しく思える。たとえば、道化が、パ・ド・トロワの女性ヴァリエーションにまで絡むのは、うるさ過ぎる印象。

第1幕に限らず「白鳥の湖」におなじみのマイムは少な目。また、王妃(日比マリア)が王子に弓を贈るシーンはなく、弓は、道化が持って来て渡し、それを手に王子がひとりで白鳥狩りへ行く。幕が下りたあと、パ・ド・トロワの3人と道化がカーテン前に登場。


第2幕。

幕が上がると、舞台奥に湖がはっきりと臨める美術が目を惹く。その背景の湖を(人形の)白鳥が泳いで行くのが、面白い。

白鳥のコールドは、6羽ずつの4チームのフォーメーションのなかに、3羽の白鳥と4羽の白鳥。群舞は、壮観。オデット(高木綾)が王子に、自分の身の上を語るマイムがなかった。

第3幕。

王子が遅れて現れるので、それまで、王妃は上手の座にひとりですわっている。ロットバルト(柄本弾)とオディール(田中結子)の登場には、ロットバルトの手下(男女各2人)が従っていて、ジークフリートがオディールを追っていったん退場すると、そのまま手下の4人が「スペイン」を踊る流れ。各国の踊りに、ロットバルトの手下を登場させる演出は、ドラマ性が増して面白い(昨年12月に見た、TYバレエの「白鳥の湖」でも悪魔の手下を登場させる同様の演出を採っていたのを思い出した)。

黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥの32回フェッテでは、オディールは何度か2回転を混ぜていて、きれいにきまり、見ごたえたっぷり。

第4幕。

この「白鳥の湖」は、主役ふたりが身投げしてあの世で結ばれるという結末ではなく、王子がロットバルトと戦って悪魔の羽根をもぎ取ると、ロットバルトが滅びて王子は勝利し、無事に、オデットと結ばれてめでたしめでたし、となる。

私は、王子が勝利するこの結末のほうが、ストーリーとして納得出来る。道化は出ないのが好きだけれど。

(羽根をもがれたロットバルトが、なんだか間抜けに見えて、可笑しかった)


出演のダンサーのなかでは、4羽の白鳥とナポリに出ていた佐伯知香さんというひとが、いい。なお、「ナポリ」は、タンバリンを使う振り付け。