現代の音楽展2009 唱楽3〜現代児童合唱の領域 (東京文化会館小ホール)


2月1日(日)は、東京文化会館小ホールでの、

現代の音楽展2009 第1夜「唱楽3〜現代児童合唱の領域」

へ足を運んだ。第1夜とはあるが、14時開演。


日本現代音楽協会の主催で、プログラムは、以下のようであった。

★第1部 NHK東京児童合唱団

藤井喬梓/児童合唱のための組曲銀河鉄道の夜
指揮:金田典子、ピアノ:前田勝

池田悟/テ・ルーキス・アンテ 児童合唱とピアノのための
指揮:金田典子、ピアノ:前田勝

間宮芳生/合唱ためのコンポジション第15番 児童(女性)合唱のための《空がおれのゆくところへついてくる》
指揮:加藤洋朗、ピアノ:前田勝則、演出:飯塚励生
 休憩 20分

★第2部 多治見少年少女合唱団

一柳慧/三つのうた
指揮:田中信昭、マリンバ:池永健二

長谷部雅彦/二群の児童合唱のための「しりとりうた」
指揮:田中信昭

高原宏文/児童合唱のためのファンタジー「青い夜道」
指揮:田中信昭

野平一郎/児童合唱(または女声合唱)とピアノのための ある科学者の言葉
指揮:田中信昭、ピアノ:中嶋香


(印の3作品は、初演。いずれも2008年作曲作品)


難解な曲に、表現や技巧、さらに「演出」のある演奏と、聴き手からしても、ひとすじ縄では行かない演奏ばかりであった。

以下、プログラムを参考にしての憶え書き。


NHK東京児童合唱団は、見たところ、シニアクラス(にユースシンガーズが加わる)というメンバーだったようだ。

『児童合唱のための組曲銀河鉄道の夜」』は、宮沢賢治の同名作品から歌詞を抽出した「雪渡り」「かしわばやしの夜」「月夜のでんしんばしら」「鹿踊りのはじまり」「銀河鉄道の夜」の5曲からなる組曲。この日は、このなかから、「雪渡り」「かしわばやしの夜」「銀河鉄道の夜」が演奏された。

『テ・ルーキス・アンテ 児童合唱とピアノのための』は、児童4部合唱(+ソロ1人)。歌詞も作曲者による。ダンテの「神曲」に基づき、タイトルは「光消えざる前に」の意。

『合唱ためのコンポジション第15番 児童(女性)合唱のための《空がおれのゆくところへついてくる》』は、N児のために書かれた曲。昨年11月のNHK東京児童合唱団第37回定期演奏会でも、シニアクラスによってうたわれていた。そのときと同じ、飯塚励生演出による演奏。


多治見少年少女合唱団は、小・中・高生からなる岐阜県多治見市の合唱団。今回の「唱楽〜現代児童合唱の領域」の企画者でもある田中信昭氏が音楽監督で、指揮もした。

赤とグレーの組み合わせのユニフォーム。ネクタイもしている。メンバーは(アンコールを除き)譜面を持ってうたっていた。

『三つのうた』は、まど・みちおの詩「雪が降る」「ぬけた歯」「木」の3編による合唱で、マリンバとの共演。

『二群の児童合唱のための「しりとりうた」』は、文字通りに、日本語のしりとりを合唱にしたもの。作曲者による歌詞の、しりとりの最後は「あいんしゅたいん」で「ん」となって終わるのだが、この日のあとのプログラムでは、アインシュタインの言葉が演奏されることになる。

『児童合唱のためのファンタジー「青い夜道」』は、田中冬二の詩による。

『児童合唱(または女声合唱)とピアノのための ある科学者の言葉』のある科学者とは、アインシュタインのことで、アインシュタインの残した言葉を、歌詞として、うたい、語る。多治見少年少女合唱団の30周年のために、作曲された昨品とある。


多治見少年少女合唱団にNHK東京児童合唱団も加わって、アンコールとして「夕焼け小焼け」がうたわれて、

終演は、16時10分頃。


児童合唱は、なかなか面白い。今後も、出かけようと思う。