舟木一夫特別公演「野口雨情ものがたり 船頭小唄」

8月14日(月)は、新橋演舞場で、舟木一夫特別公演を観劇。

今公演は、舟木一夫さんの新橋演舞場での座長公演が毎年連続の十周年を迎えた記念公演。劇場内は「舟木祭」と称してのグッズコーナーや展示物で彩られ(ツーショットプリクラというのもある)、公演期間中の2公演では「みんなde舟木」なる記念撮影イベントが行われ、また、一等席(または桟敷席)で10回、20回の観劇をした熱心なリピーター客を対象にしたプレゼント企画もあるなど、暑いなか、にぎやかなことである。


さて、14日は中日だそうで、13時開演の1回公演。

ロビー掲示のタイムテーブルは、
「船頭小唄」一幕、75分
休憩、10分
「船頭小唄」二幕、70分
休憩、40分
「シアターコンサート」50分

「野口雨情ものがたり 船頭小唄」は、主人公が童謡や民謡を作詞した人物だけに、劇中、登場人物たちが童謡などをうたうシーンがあり、音楽劇仕立て(歌唱指導: 矢部玲司)の芝居になっている。
といっても、うたえる俳優をキャスティングしている訳ではないから、聴かせるうたを披露するのは、座長さん、荻野目慶子さん、(松井須磨子役の)桐沢晶子さんの3人ぐらいだ。
・・・桐沢晶子さんとはどんな女優さんかと検索してみたら、(「オペラ座の怪人」など劇団四季の舞台にも出演していた)平林剛氏がうたの先生のようだ。
子役たちがうたに合わせてしゃぼん玉を吹いたり、荻野目慶子さんといっしょにうたうシーンもある。


名前は有名でも、ではどんなひとかというと、よくは知らない・・・そんな野口雨情という人物について、舞台を通しておおまかにでも、こんな生き方をしたのかとその人生を眺め、舟木一夫流の雨情像を味わう面白さがある。良くも悪くも旧いタイプの芝居だから退屈するシーンもあるが、盆を回したり、迫りを使ったり、舞台に本水の雨を降らせたりと、趣向があった。
芝居の最後に、全キャストが揃うフィナーレが付くのもよかった。


お芝居のあと、「シアターコンサート」までの幕間に、私も舟木一夫グッズを冷やかしてみようとて、地下2階に降りて行くと、なんと、舞台写真をたくさん売っている!
今公演のものだけでなく、過去公演のものもある。
3枚1組になっていて、ひと組が、1200円。
「船頭小唄」のカーテンコールで、座長さんといっしょに、雨情の子ども役の子役(池田夏未さんと清水響くんだね)が写っているのがあったので、その写真が入っている3枚組みをひとつ買ってみた。
わざわざ来たのだし、お土産を買わないと、楽しくないからね。

3枚で1200円というのも、いいな(歌舞伎の舞台写真は、1枚500円で、高い)。プリントサイズも、大歌舞伎の舞台写真より大きい。


「シアターコンサート」は、昼・夜で別構成。
当日ステージでの舟木氏談とプログラムによると、昼は、コンサート形式+(後半が)和物レビューのショー的構成で、レビューではお芝居の共演者(長谷川稀世、長谷川かずき、竜小太郎、林啓二の4優)が踊る。夜は、通常のコンサートステージに近いかたちで。
座長さんのファンという訳でなく、お芝居として見に行くのなら、昼の部がいいかも知れない。

花束やプレゼントを渡すお客さん、多数(普段の日でこうなら、最初っから売り切れになっている千穐楽の夜の部は、どんな様子になるのかしら)。うたう座長さんの公演のショーではおなじみの光景だけれど、花束渡すのは、楽しそうだね。

昼の部の、玉置宏さんの司会は、途中の衣裳替えをつなぐだけの登場。

下りて来る緞帳を押しとどめて、最後は、「銭形平次」をうたいながらの、てぬぐいまきのサービスがあって、幕。




でも、舟木一夫さんて、一時期は御三家のなかでもいちばん低迷していたのに、それがいまや商業演劇でも有数の座長さんのひとり。新橋演舞場でも「眠狂四郎」とか「源氏九郎颯爽記」をやって欲しいな。「一本刀土俵入」もいいかな、お君ちゃんが出るから。