時代の証言者 中村吉右衛門 18
読売新聞朝刊に連載された「時代の証言者」
歌舞伎俳優 中村吉右衛門の第「18」回(6月3日付)は、『「子供教室」で興味はぐくむ』
今回は、吉右衛門さんによる普及活動のこと。
≪松竹による歌舞伎の海外公演は、1928年(昭和3年)のソ連公演から現在上演されている欧州公演まで、56回、33か国で行われてきた。海外での歌舞伎普及への貢献だけでなく、海外で高く評価されることにより、国内での認知度を高める効果を上げている≫
アメリカの地方都市での体験から、『歌舞伎を演劇として認めてもらうにはどうすればいいだろうと悩みました。
と同時に、はたと、それでは日本はどうだろうか、と考えるにいたりました。』
日本人でさえ、邦楽にはなじみがない。
歌舞伎が素晴らしいのは、むかしから商売としてやって来て、生きた演劇だから。
『興行主と役者とで長年考えて作り上げたものですから。そして名優が演技を深く掘り下げて』、それを伝えて来た。
歌舞伎を、守るべき絶滅種にはしたくない。今後も歌舞伎を衰えさせず、お客様に興味を持ってもらうには、『日本人が子供のときから、もう少し日本文化に接してもらう、あるいは興味を持ってもらうのが、第一歩かな、と思いました。
ですから私は、歌舞伎のワークショップを開いて、子どものころから少しでも歌舞伎になじんでもらいたいと考えたのです。』
2001年1月、伝統歌舞伎保存会は、東京都渋谷区立代々木中学校で「中学生のための歌舞伎ワークショップ」を開き、担当理事の中村吉右衛門は、約150人の生徒に解説をした。
第2回以降は小学生を対象にし、2003年(第4回)からは小学校4〜6年生の希望者を募っての「小学生のための歌舞伎体験教室」が行なわれている。
・・・伝統歌舞伎保存会による普及活動は、同ホームページ(このあたりなど)に詳しい。
「小学生のための歌舞伎体験教室」は料金も廉価だし、Aコースだけでも充分に面白そうだ。