桃太郎の弟って、どこから来たのかな?
劇団四季のファミリーミュージカルには、設定や展開が強引なものが多く、舞台を見ている間は、音楽やダンスなどの効果もあって見せられてしまうが、後になって考えると、どうにも割り切れなかったり、だまされたような気持ちがして来ることがある。
たとえば、「桃次郎の冒険」もそうだ。
この作品は、関東国際高校の卒業公演(原慎一郎、望月龍平主演)と、味方隆司主演舞台のテレビ放送でしか見たことがなく、いずれもだいぶ以前のことだから、現行とは、あるいは、多少の異同があるやも知れないが・・・
桃太郎に弟がいて、しかも、ふたりもいたといって、さて、誰れが産んだものなのだろう。
桃太郎ってのは、あれでしょう、おばあさんが、川で洗濯をしていたら、でっかい桃が、どんぶらこっこ どんぶらこっこと流れて来たので、家に持って帰ったら、
その桃が、パカッ と割れて、なかから玉のような男の子が出て来るのだよね。
別に、ばあさんが、高齢出産した訳じゃなくてさ。
ということは、桃太郎に弟がふたりもいるってことは、桃太郎の後にも、
どんぶらこっこ パカッ
どんぶらこっこ パカッ
が2回繰り返されて、玉のような男の子が、パカッ パカッ っと出て来たってことかいな。いくらなんでも、そりゃないだろう、と。
大体、昔話やお伽話における"異能の者" は ひとりというのが相場なのだから。
でもまぁ、「桃次郎の冒険」におけるじいさんとばあさんが、強欲で性質が悪いのは、
どんぶらこっこ パカッ
どんぶらこっこ パカッ
どんぶらこっこ パカッ
を、3回も経験したせいで、どこかおかしくなってしまったのだ、という解釈もあり得るか。
けどさ、桃のなかから裸で パカッ と生まれて来るのが男の子であって 女の子ではない、というのは、物語論的にもいろいろな解釈が可能で、面白いね。
(持って帰った巨大桃を、さっそく切って食おうとしたばあさんは、もともとが欲張りな性質だったともいわれているらしいし)