「オリバー!」ホリプロが2021年秋に上演/30年前の帝劇の「オリバー!」のことなど

ミュージカル「オリバー!」

原作:チャールズ・ディケンズ
脚本・作詞・作曲:ライオネル・バート

2021年9月下旬~11月上旬、東急シアターオーブ
2021年12月、大阪公演予定


主演:市村正親(フェイギン役)


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「主催:『オリバー!』製作委員会」となっているけど、舞台も、これからは映画みたいに製作委員会方式が増える兆し?



ライオネル・バートのミュージカル「オリバー!」といえば、30年前の1990年7、8月に東宝が帝国劇場で上演している。商業舞台としては、それ以来の上演になるのかな。

90年の帝劇公演より以前には、1981年に劇団四季が上演しているが、これは大人の俳優が子ども役を演じての上演。


1987、88、89年と続けて夏の帝劇は「レ・ミゼラブル」で、91年も「レ・ミゼ」だったのだけど、90年の夏は「レ・ミゼ」が東北、北海道公演に出かけて、夏の帝劇では「オリバー!」が上演されたのだった。
当時はいわゆるバブルだったし、JR東日本が協賛してテレビスポットが頻繁に流れていたっていう記憶がある。

そもそも、見に行くつもりはなかったのが、そのCMにつられてなんとなく出かけたら、ベット役の女の子がかわいいのと、ミュージカルナンバーに魅了されて、8月中リピートする破目に。


1990年7月5日から8月31日まで、2か月で82ステージの上演。子役はダブルキャストで2チームに組分けされていた。
オリバー、ドジャー(ジャック・ドーキンズ)、ベットの3役の他にアンサンブルで男の子14人、女の子5人で、ワンステージに子役が22人の出演。

ただし、ドジャー役のひとりは大人の女優(はにべあゆみさん。当時の名前は漢字書き。近年は「サウンド・オブ・ミュージック」のシュミット役など劇団四季での出演が記憶に新しいが、かつては子ども役に定評があった)だったので、子役は、ふた組合わせて43人。


ドジャーというのは、フェイギンが元締めの少年スリ集団のリーダーで、オリバーを仲間に誘って「Consider Yourself」をうたう。日本では「オリバーのマーチ」とか「オリバー行進曲」という曲名で一般にも知られている有名ナンバー。

「オリバー!」のナンバーのなかでは、オリバーマーチの他にも、「Oom-Pah-Pah」が舞台を離れて一般にも流布していた。

ベットは、スリ仲間の少女でオリバーの相手役的ポジション。ナンシー(このミュージカルのヒロイン)の妹っていう設定になっていたと思う。
「I'd Do Anything」で、オリバーがベットに「君のためなら」ってうたうのが、かわいいのだよね。カーテンコールでも、うたっていた。


オリバー役は、ひとりはいまも芸能活動をしている黒田勇樹くんで当時は小学2年生。もうひとりのオリバーの子は小学6年生で、キャスト紹介によると、最初からオリバー役で選ばれたのではなくて、出演が決まった男の子のなかからダブルキャストのオリバーに抜擢された、ってことだったようだ。

ドジャー役のもうひとりはガブローシュを演った子で、ベット役のひとりはリトルコゼットだった子がキャスティングされていた。

ベット役の子は、小学4年生と中学1年生。ドジャー役は、ひとりが大人だったから、オリバーを含めて3役とも、年齢差のあるダブルキャストだったといえる。

子役アンサンブルでは、チャーリーを演る男子の写真が少し大き目で、アンサンブルのなかでは上の扱いになっていた。(劇団四季の上演記録を見てみると、四季の公演ではチャーリーが役付きになっている)


アンサンブルの女子の出演者には、翌年(1991年)のアニー役になる鈴木奈央ちゃんがいた。
男子出演者では、俵和也くんや土倉有貴くんが、いまでもミュージカルなど舞台を中心に活動している。


ちなみに、1990年の帝劇は、まだ座席の列番が「イロハニホヘト・・・・」だった。

あの頃は、帝劇へ行くとき、たまに早目に出かけると、開演前の時間をとなりにある(※位置的には上ですね)出光美術館で過ごすことがあった。いまはダメみたいですが、むかしは飲食可のスペースがあってそこで軽食をとったり、静かななかでしばらく本を読んだり、昼・夜公演を続けて見るときに合間の時間を展示物を見て過ごすなど、ちょっと贅沢な時間が持てた。当時は、入館料もいまより入りやすい金額だったと思う。