にっぽんの芸能「和と洋のコラボレーション!“システィーナ歌舞伎 美女と野獣”」


5月13日(金)夜の「にっぽんの芸能」(NHK Eテレ)は、

第7回システィーナ歌舞伎「美女と野獣」(2月、大塚国際美術館システィーナホール)をダイジェスト放送。

http://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2016-05-13&ch=31&eid=34529&f=1830

出演: 片岡愛之助 中村壱太郎 上村吉弥 木場勝己 佐藤浩希 片岡千次郎 上村折乃助 上村吉太朗 片岡愛一郎 関口義郎 ほか

作・演出:水口一夫、振付:藤間勘十郎


(休憩を除く)正味の上演時間が、2時間半ぐらいあったようなので、

http://www.kabuki-bito.jp/theaters/other/play/466
http://o-museum.or.jp/publics/index/294/

http://www.asahi.com/articles/photo/AS20160221001434.html

それを50分にしての放送となると、かなり短くなっていたことになる。

和・洋のコラボレーションによる新作歌舞伎「美女と野獣」は、ミュージカルでもおなじみのストーリーを歌舞伎に置き換え、野獣には「鏡獅子」の後シテのイメージも重ねていて、獅子の精としての登場もあるのだが、これは、ジャン・コクトーの「美女と野獣」が、六代目菊五郎の鏡獅子にヒントを得たとの逸話を逆に取り込んだもののようだ。

ミュージカル仕立てのシーンもあって、野獣のソロナンバーもあり、ダイジェストで見ても、なかなかおもしろい。音楽も、和洋折衷。

主演の片岡愛之助が、野獣実は木曽太郎兼光と、正太郎(ミュージカルのガストンにあたる)の二役を務めるのが、いかにも歌舞伎らしい配役。中村壱太郎の美寿々姫(ベルにあたる)は、応仁の乱で国を追われた元美濃の領主・鷹司冬明(木場勝己)の娘で、三姉妹の末っ子というのは西洋の童話っぽい設定。

幼い木曽太郎兼光(山崎掌=子役)は武勇にすぐれていたが、神の使いの鹿を殺したことから、神=国常立尊(上村吉太朗)の怒りにふれ、醜い野獣に姿を変えられ、真の愛を知るまでは元の姿には戻れないということになっている。

劇団四季の「美女と野獣」では、オオカミに襲われたベルを野獣が助けるシーンがあるが、このシスティーナ歌舞伎では、死神(佐藤浩希)に襲われた美寿々姫を野獣が助ける。

ダイジェストゆえに、長曽我部夢ちゃんが見られなかったのが残念。