イッツフォーリーズ「見上げてごらん夜の星を ミュージカルこそわが人生」(かめありリリオホール)


ASPイッツフォーリーズ公演 ミュージカル「見上げてごらん夜の星を〜ミュージカルこそわが人生〜」

(原作:永六輔、音楽:いずみたく、潤色:大谷美智浩、演出:北澤秀人、編曲・演奏:吉田さとる、振付:三枝宏次)

かめありリリオホールで、11月10日(日)に観劇。

14時開演。上演時間、約2時間(休憩なし)。この日の終演は、16時07分ぐらい。

公演プログラムは、500円で販売(このなかみで500円は安い!)。

プログラムの表紙には、『2013〜2015』とあって、2日間のかめありリリオホールでの公演のあとは、演劇鑑賞会の例会が断続的に2015年2月まで決まっているようである。

開演前のロビーの一画では、歌声コーナーみたいなことをやっていて、どんなことをするのか、プログラムを読みながら見てようかと思ったが、うたに参加しないといづらい雰囲気になったので、移動して客席へ。(座席は5列目の中央ブロック)


2012年1月にアトリエフォンテーヌで上演された、大谷美智浩潤色版の再演で、今回は、オープニングとして「見上げてごらん夜の星を」を含む歌があり、続いてミュージカル本編、その後には、いずみたくミュージカルの代表的作品からメインナンバーをうたうフィナーレが付く構成。(オープニングのうたに加わっていたキャストではないひとは、演奏のミュージシャンだったみたい)

子役以外のミュージカル本編の登場人物は、2012年公演のときにダブルキャストだったいくつかの役がシングルに変わっただけで、基本的に同じ配役。

子役は前回からのキャストに新しくふたりが入ってのトリプルキャストで、

ヒカル: 池田優佳・柄沢怜奈・山本姫無


前回、アトリエフォンテーヌでの観劇時には、潤色で新たに書き加えられたという部分(このミュージカルの誕生譚的な作曲家側のストーリー)や、50年前の作品を新鮮によみがえらせた工夫(時代色のない夜学生たちの衣裳や、傾斜のある印象的な装置など)に目が惹かれた。
で、今回は、登場人物の夜学生たちが語るセリフに、不思議なくらい「いま」の世相とも通じるものがあること、昭和35年に初演されたミュージカルなのに、若者の群像劇として、いま見て違和感ないことが、とてもおもしろく、すごいなと思った。50年余りも前の作品なのに、見ていて、時代がひと回りしたかのように感じる部分があった。

劇中に出て来る言葉には、さすがに、いまでは死語になっているようなものもあるのだが、そういう言葉たちが、かえって新鮮に感じられるミュージカルだ。

今回も、キャストは、おにぎりをじっさいに食べていた。

ヒカルという役は、やり過ぎると、こまっしゃくれ度が強くなってしまいそうなところ、柄沢怜奈ちゃんはあどけなさがあって、かわいく、嫌味なく演じていて、よかった。たとえば、「恋の季節」や「世界は二人のために」は、劇中の短いフレーズだけでなく、もっと聴いてみたいな。

弁慶が五条の橋を渡るとき、うんとこどっこいしょ、・・・


ところで、柄沢怜奈ちゃんは、いま4年生で、これまで、「三婆」の正子、「売らいでか!」のまり子を演って、「王様と私」に出て、東宝の舞台に出演を重ねて来ている。
来年6月の「細雪」は、どうだろうか。