終わらない歌
宮下奈都「終わらない歌」(実業之日本社、1365円税込)
http://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-53615-6
いまはもう文庫になっている「よろこびの歌」の続編。「よろこびの歌」と同じ短編連作形式で、御木元玲とその同級生たちのその後がえがかれている。
前作以上といっていいおもしろさだが、「終わらない歌」では、御木元玲と原千夏の比重が大きくなっている上、ふたりがミュージカルの舞台に立つまでの展開には、演劇小説としての魅力もある。
登場人物のなかでは、(前作でもそう思ったが)やはり原千夏ちゃんのポイントが高いと思う。
この本、12月に読もうと思っていたのに、12月は、高村薫の「冷血」上・下を読むのに半月もかかってしまったこともあって(「冷血」は高村薫にしては読みやすいほうなのに、読みながら考え込むことが頻繁で、なかなか先に進まなかった)、すっかり後回しになった。もっと早く読めばよかったな。