DVDで見る、島津亜矢 御園座初座長公演「会津のジャンヌ・ダルク〜山本八重の半生〜」


5月に御園座で上演(5月12日〜27日)された、

御園座さよなら公演 島津亜矢特別公演
 一、会津ジャンヌ・ダルク〜山本八重の半生〜(脚本:堀越真、演出:北村文典)
 二、熱唱!島津亜矢 愛・夢・感動
 (→http://www.misonoza.co.jp/performance10.html)

を、DVD(2枚組。テイチクエンタテインメントから、参考価格7500円)で見た。

過去ログのこれ(→http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20121024/p1)である。


2枚組の1枚目に、会津ジャンヌ・ダルク〜山本八重の半生〜(全2幕)が、2枚目には、歌謡ショー(熱唱!島津亜矢 愛・夢・感動)と、特典映像としてのメイキング(亜矢の初座長公演への道)、御園座の舞台裏案内(見せます!亜矢の御園座舞台裏徹底解剖)が収録されている。

縦長のパンフレットが付いていて、配役、スタッフクレジットが遺漏なく載っている。

舞台の収録日は、2012年5月25日(金)。


会津ジャンヌ・ダルク〜山本八重の半生〜」は、本格的なお芝居は今回がはじめてという座長(島津亜矢)さんが、役にはまっていて上手いことに加え、芝居自体もよく出来ていて、おもしろく見た。映像でこれなら、生の舞台は、充分に楽しめただろうと想像させる。

山本八重といえば、来年の大河ドラマの主人公にもなっている新島八重のことだが、サブタイトルに「山本八重の半生」とあるように、この舞台では、最初の夫となる川崎尚之助(田中健)との出会いから結婚、そして会津落城での別離までがえがかれる。

子役の「みね」は、八重の兄・山本覚馬(瀬川菊之丞)の娘で、二幕に登場する。収録されている舞台の出演は、山本佳歩ちゃん。


歌謡ショーの「熱唱!島津亜矢 愛・夢・感動」では、座長さんのうたや舞踊のほか、田中健さん(今年、芸能生活40周年になるとのこと)のケーナ演奏もある。

収録日は、昼・夜公演あった日だが、歌謡ショーのトークで、残りが3公演といっているので、夜の部のステージを中心にした編集だろうか?


2枚目のディスクに入っている特典映像が、見ごたえあり。「亜矢の初座長公演への道」は、稽古初日〜公演本番の舞台裏までを追っていて、島津亜矢&主な共演者へのインタビューだけでなく、堀越真(脚本)、北村文典(演出)、三波美夕紀(浪曲指導)、菅原俊夫(殺陣)、甲斐正人(音楽)、菅原道則(ショー演出・構成)、真島茂樹(歌謡ショー洋舞振付)といった主要スタッフへのインタビュー、裏方の仕事や早替えの様子などなど、濃い内容になっている。

さらに、「見せます!亜矢の御園座舞台裏徹底解剖」という、島津亜矢さんによる御園座の舞台裏潜入が、おもしろい。楽屋口から、楽屋、舞台ソデ、さらに、御園座の棟梁の案内で、舞台機構(回り舞台、大迫り、すっぽん)も動かしながらの解説、奈落から鳥屋へと・・・興味深い映像が次々。
御園座の花道は、日本の劇場としてはいちばん長い花道とのこと。また、御園座は、むかし、地階にボウリング場があったという。

来年で閉館予定の現・御園座の記録&記憶という意味でも、見どころが多く、ふたつの特典映像だけでも、一見の価値あり。収録されている公演と合わせて、とてもお得なDVDである。