明けない夜 完全版(シアタートラム)


8月26日(金)は、シアタートラムで、

JACROW#15「明けない夜 完全版」(脚本・演出:中村暢明)

を見た。

過去ログのこの↓公演である。
http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20110718/p1

14時30分開演の、平日昼間割引(前売3500円→3200円)の回。

会場掲示の上演時間は、1時間55分。途中休憩なし。


小学生の長女が身代金目的で誘拐された中小企業の社長宅が舞台。事件が起きた当日の夕方以降、いわゆる応接間を中心にして警察による関係者への聴取が進むなかに、事件に到るまでの経緯や伏線が過去の出来事として挿入される構成。

子役とその母親役のふたりによるカーテンコール(なのかな?)があったあとに、事件の真相がエピローグ的に演じられる。それでいったいどうなるのだろう…と思っていると、子役の声で終演を告げるアナウンスが流れ、なんともすっきりしない結末。いくら昭和38年の設定とはいえ、あの程度の真相を暴けないほど警察が甘いものだとは思えないし、エロ社長に正義の鉄槌が下らないと、見ている側の溜飲も下がらない。

終盤になって、これは、全てが特定の人物(もしかしたら観客)を騙すためにつくられたお芝居で、最後にどんでん返しがあるとかそういう仕掛けなのか?とも思いかけたが・・・結局、そういうことでもなく、中途半端に終わってしまう後味の悪さ。

それにしても、あんな大きな子どもをあの従業員が殺害するのって、簡単じゃなさそう。行李に入れて運べっていうのも、無理難題だ。

子役の出演シーンは少な過ぎる上、さしたることもないし、サンモールスタジオが賞を出したほどの何があるのか、私には全くの謎であった。

はじまってしばらくしての暗転前だったか、登場人物のひとりが、芝居のタイトルを口にしたが、それがなんだか唐突でおかしくて、笑いそうになったが、こらえた。