三河市民オペラの冒険


三河市民オペラ制作委員会 編著「三河市民オペラの冒険 カルメンはブラーヴォの嵐」(水曜社、2200円+税)
http://www.bookdom.net/suiyosha/1100operao/1111mikawaopera.html


少し前に、朝日新聞に広告が載っていたのを見て、購入した一冊。


三河市民オペラ」は、ここ(→http://www.mikawa-opera.jp/)にホームページがある。


2009年5月30日(土)、31日(日)に、アイプラザ豊橋(愛知県豊橋勤労福祉会館)で上演された、三河市民オペラ「カルメン」。その制作委員会立ち上げから、出演者オーディション、PR活動、チケット販売や資金集め、そして公演から後日談までをつづった市民オペラ制作の記録。

オペラや興行には素人である地元(豊橋)の経営者たちが中心になって市民オペラをプロデュースし、成功裡に終わらせるまでのノンフィクションで、とても興味深い内容が読みやすく書かれている。

同オペラの出演者や関係者からの寄稿以外は、実質的に、「あとがき」も書いている、三河市民オペラ制作委員会・委員長の鈴木伊能勢氏(自動車販売会社社長)の執筆ということになるのだろうか。
新聞記事によると、この本の発行部数は、3500とのこと。

たいへん面白く読んだ。が、では、この本を読んで、三河市民オペラを見たくなったかというと、仮に地元に住んでいたとしても、さてどうだろう?こういう、地元の会社経営者らが中心になって創るイベントというのは、私のような一般人からすると、心理的な距離感がかなりあるものである。

この三河市民オペラの場合もそうだけれど、地元の会社経営者というと、肩書きにロータリークラブとかライオンズクラブの会員というのが付いていることが多い。いったいそれ何?という疑問は相変わらず。まさか、世界制服を企む悪の秘密結社だなんて思いはしないが、ロータリークラブというのが何をしているのか、その実態は、私のような部外者には分からない。結局のところ、「市民」といいつつ、チケットを買えば、関係している一部の地元経営者の人的ルートに利するような気がして、身構えてしまう。

もちろん、観客はあくまでも舞台の上を楽しめばいいのだが・・・やっぱりこういうのって、行政やその外郭団体が主催しているほうが、余計なことに頓着せずに済むから見に行きやすいのだよね。