第12回夏休み特別企画 親子で楽しむ歌舞伎教室「義経千本桜」〜渡海屋の場、大物浦の場〜


7月22日(金)は、国立劇場大劇場で、7月歌舞伎鑑賞教室を観劇。午後3時開演。


22日は、社会人のための歌舞伎鑑賞教室として夜の部があるので、3時開演の回が、1日2回公演の1回目になる。また、この3時開演の公演は「親子で楽しむ歌舞伎教室」として、親・子(18歳以下)各1枚以上の組み合せでチケットを購入する場合、割引料金が設定されている日程に該当する。

「親子で楽しむ歌舞伎教室」では、通常の歌舞伎鑑賞教室で配付されるプログラムのなかに、子ども用にイラストを使った4ページのあらすじが挿し込まれていて(イラスト:立入晴子)、一般料金で入場の私も、それが挿し込まれたプログラムをもらえた。

ということで、先日の観劇雑感(http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20110721/p2)に書いた、安徳帝ちゃんのかわいいイラストが載っているあらすじがついていたので、ちょいとうれしい心持ち。


「親子で楽しむ歌舞伎教室」とあって、客席は親子連れが多数。開演前と休憩時間のロビーには、国立劇場のキャラクター「黒衣(くろご)ちゃん」の着ぐるみが登場して、子ども客になかなか人気の様子であった。国立劇場にも、ゆるキャラがいた訳だ。

この黒衣ちゃん、休憩時間は早々に1階ロビーからいなくなったと思ったら、渡海屋、大物浦がはじまる前の舞台に現れて、携帯電話など音の出るものの電源はお切り下さいとか、注意事項をアナウンスしていた。


親子で楽しむ歌舞伎教室ではあっても、演目自体は、国立劇場7月歌舞伎鑑賞教室そのままで

解説「歌舞伎のみかた」(25分)
 休憩(20分)
義経千本桜〜渡海屋の場、大物浦の場〜」(1時間55分)


尾上松也丈の解説「歌舞伎のみかた」も、先日(16日)の観劇時と変わらずで、子どもが多いからといって、解説を子ども向けにするというようなことは全くなし。

歌舞伎音楽の説明に絡めて、AKB48は好きですか、の件りでは、客席の反応が芳しくなくて(私の後ろの席や、近隣の席にいた子どもらが、はっきり、嫌いといっていた)、微苦笑。それはともかく、松也丈が大島優子びいきだというのは、本当なのか、それともリップサービスなのか…

安徳帝の子役は女の子であめりちゃん、というのをいわなかったので、あれ?と思った。

が、休憩後に渡海屋の幕が開くと、銀平娘お安実は安徳帝は、石井晏璃ちゃん。


渡海屋の場で、典侍の局が安徳天皇にお酒を注ぐところで、あめりちゃんのミカドと魁春丈のお乳の人が、ふたりしてちょっと微笑っていたけれど、何かおもしろいことでもあったのかなぁ?・・・その流れでか、あめりのミカドは「知盛早う(はよう)」のセリフのときも、ちょっと微笑んだ様子で、そこに妙に興が感じられ、出陣する御大将を見送る若君に情が濃いように思えたのだった。

大物浦の場での、「いまぞしる みもすそがわのながれには なみのそこにも みやこありとは」の歌を詠んだあとの、安徳帝の立ち姿が、とってもかわいいよね!

それにしても、今月の、この「義経千本桜 渡海屋、大物浦」は、面白過ぎる。大満足。(「あめりのミカド」って、なんか語呂もよくて、素敵だ。後世に残したい…)


1階(1等席)の後方で、花道近くの座席だった。国立劇場大劇場は、1階席が18列までだから、後方といってもそんなに遠い感じがしなくていい。