モーツァルトの食卓
関田淳子「モーツァルトの食卓」(朝日新聞出版 朝日選書873、1300円税別)
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=12174
帝劇の「モーツァルト!」も終わった年末に、この本を見つけて(12月の新刊)、おもしろく読んだ。
モーツァルトはどんなものを食べて、飲んでいたのか。モーツァルトが旅した各地の、当時の「食」文化をふまえながら、どこでどんなものを食べたのか、どんな病気をしたか、どのくらい稼いでいたのか、それはいまの日本の貨幣価値にするとどのくらいかなど、食とお金に関わることをベースに、モーツァルトの生涯や人物像を概観した本。
ミュージカル「モーツァルト!」鑑賞の参考書としても、とてもお手頃な一冊。
東宝が上演しているミュージカルには、ヴォルフガングのパトロンを代表する人物として登場するヴァルトシュテッテン男爵夫人。この男爵夫人について、
『だが気の毒なことに、同夫人自身は後に極貧のなかで、その生涯を閉じている。』
とある。
びっくり。あの、タニマチのきれいなおばさん(←舞台では、ね)に、後々、そんな運命が待っているとは!
そういえば、チャイコフスキーのパトロンだったおばさんも、たしか、後年、お金がなくなったって、支援をやめたのだったよね…。