童謡詩劇 うずら (和光市民文化センター サンアゼリア大ホール)
10月24日(日)は、和光市民文化センター サンアゼリア大ホールで、
童謡詩劇 うずら 童謡、演劇、そしてオペラの融合
http://www.sunazalea.or.jp/uzura/
を見た。
15時開演。
過去ログのこの↓公演である。
http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20100816/p1
(主なスタッフは書いたとおり)
出演:
詩人(長兄) 綱島郷太郎(劇団青年座)
正次(弟) 高原佑季(劇団ひまわり)
はな(妹) 工藤優(劇団ひまわり)
母(故人) 鈴木慶江(ソプラノ)
大家 郡愛子(メゾソプラノ)
大家の娘 鵜木絵里(ソプラノ)
学校の先生 小鉄和広(バス)
郵便配達員 松本武洋(和光市市長)
合唱は、この公演のために集まったメンバーによるうずら合唱団、うずら児童合唱団と発表されていたが、プログラム(無料配付)によると、加えて、埼玉県立浦和高等学校グリークラブ、朝霞児童合唱団、戸田市児童合唱団が出演していた。
上演時間、1時間15分。途中休憩なし。
オーケストラピット使用で、1階客席は、6列が最前列。6列が最前列と知っていたら、横のブロックでも6列(がチケットを買ったときにまだ残っていた)を買ったのに、と思っても後の祭りである。子役の立ち位置も分からないし、座席は中央がいいだろうと、もうちょい後ろ列のほぼ真ん中を買ったのだったが、結局、前方席にもかかわらず、前のお客さんの頭がじゃまで見づらかった。
詩人の青年は、恵まれない暮らしのなかで、2羽のうずらの姿に離れて暮らす弟妹を重ね、ときに、亡き母を追慕する。ある日、火事が出て、うずらちゃんが死んじゃったかと思ったら、どっこい、生きていた。とりあえず、めでたし、っていうお話。
抒情的とはいえるのかも知れないが、暗いトーンの曲ばかり耳に残るし、展開としてもうひとつ起伏や演出的な工夫が欲しいところ。オペラを見慣れた目にどう映ったかは分からないが、私には、いささか消化不良なステージ。
第二場の、詩人の妹の他にも子どもたちが登場するシーンは、童謡をメインに楽しくなりそうだったのに、ショーアップし切らずに終わってしまったのが残念。
工藤優ちゃんのうたい方がクラシカルなことに、びっくり。それもあって、工藤優ちゃんが、この舞台のいちばんの見どころ、聴きどころだった。
オペラがベースの舞台とはいえ、子役にうたを教えたのはだれだろう、と思ってプログラムを確認すると、『ボイストレーナー 江口二美』とある。
声楽家(ソプラノ)の江口二美(えぐちつぐみ)さんというひとで、すぐにブログが見つかった。
下記↓のログなど参照。
http://tsugumi-e.jugem.jp/?day=20101024
さて、見る前は、この舞台の「詩人」というのは清水かつらのことで、彼を主人公にしているのだろうとの先入観を抱いたが、どうやらそうではない。
清水かつらを顕彰するサイト(http://www.sky.sannet.ne.jp/katura/)を見ると、清水かつらには弟が7人いたが妹はいないようだし、彼には実母と、実母が離別されたあとに父の後妻に入った母と、母親がふたりいたなど、舞台での設定とも異なる。
つまり、ステージ上の詩人は、清水かつらという人物を投影しつつもイコールではなく、いわば、この舞台全体がイメージの世界として創られているのだろう。
だったら、もう少し想像の翼を広げるとか、「童謡詩劇」と謳うに相応しく、「詩人」を狂言回しにして、他のキャストや合唱団が、清水かつら作詩の童謡をバンバンうたうようなステージにすればよかったのに…。
せっかく大勢の合唱団を参加させながら、一部の子どもを除いて、舞台奥に並んだままで、舞台前方で演技する役者や声楽家たちとは隔たったようなステージングにも物足りなさをおぼえた。
カーテンコールのあとに、エピローグ的なシーンが付いたのは、めずらしいな、と思ったが、ああいうのってオペラではあることなの?それとも、やっぱりめずらしいのかな。
入場の際には、ハローキティのうずらストラップがもらえた。
http://www.sunazalea.or.jp/uzura/detail.cgi?category=uzura&key=20100917135135
9月11日(土)には、「叱られて」歌唱コンクールのアトラクションとして、童謡詩劇 うずら プレイベントというのがあったらしい。
http://www.sunazalea.or.jp/uzura/detail.cgi?category=uzura&key=20100924142521
YouTube の「うずら」プロモーションビデオ
→http://www.youtube.com/watch?v=s0jFiAxfoVg