ファビアン・プリオヴィユ リサーチワーク公開(彩の国さいたま芸術劇場大稽古場)


昨日(3/28)は、彩の国さいたま芸術劇場 大稽古場で行なわれた、

彩の国スタジオ・ダンスシアター
「ファビアン・プリオヴィユ リサーチワーク公開」

を見た。
過去ログのこれ↓である。
http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20100320/p2


会場に到着し、まだまだ時間があるからと、情報プラザの椅子に座ってお茶を飲みつつ寛いでいたら、突如として、トイレへ向かって進む一群が出現。すわ、何事?まさかトイレツアーでもはじまったのかと思ったのは一瞬で、これは、大ホールの「ヘンリー六世」が休憩時間になったのだ、大変だ。「ヘンリー六世」の客でさいたま芸術劇場内のトイレが全部塞がってしまうことになると、あわてて、私も突進(笑)。…なんてこったい。


「ファビアン・プリオヴィユ リサーチワーク公開」は、無料だが申し込みが必要で、締切日までに申し込むと、チケットが折り返し送られて来るという次第。定員は、150人(先着順)とあった。


大稽古場は、なかに入ると、平場のステージ部分と、ひな壇状に組んだ客席とにスペースを分けてあり、午後3時開演で、終演は、4時10分。

最初に、演出・振付のファビアン・プリオヴィユ、演出アシスタントの瀬山亜津咲、小渕博美の3氏が紹介され、ファビアン・プリオヴィユからのあいさつがあって、それからの開演。「リサーチワーク公開」そのものは、約60分といったところ。

「リサーチワーク公開」といっても、創作の現場を公開するというのではなくて、観客の前に試作品を提供して、とりあえず味見をしてもらおうといった感じの試演会、あるいは中間発表といった趣きだった。振付家は、控え目な発言をしていたが、観客に見せるために構成されており、今回の上演でも、充分作品として通用するレベルだと思った。私は、とても面白かった。

前作の「紙ひこうき」は、日本の女子高生の人間関係や学校生活の閉塞感など、思春期の女の子たちの感情や心象、生態の諸相をダンスとして表現した傑作だったが、ファビアン・プリオヴィユがバレエノアと創る2作目の今回は、テーマが「子供時代」。

女子高生の次は、子ども。…なんとも刺激的で、関心をそそられるテーマだ。

バレエノアの若い女性ダンサー(10人)たちが、子ども時代の様々な遊びを表現して行くとともに、5人の大人の男優・ダンサーが、少年の頃の遊びや空想、妄想の世界を演じて見せる。若い女性ダンサーだけでなく、大人の男性出演者が加わったことで、彼女たちの「子供時代」とともに、上の世代や男たちの「子供時代」も抽き出される。また、異性や、父と娘、といった関係性にも踏み込んでいる。

「紙ひこうき」と較べると、まだ上演時間が短いので、今後、完成度を高めるとともに、改変や、さらに多方面からのアプローチが加わるのかも知れない。

どんな作品に仕上がるのか、公演を見るのが、いまから待ち遠しい。


[出演]

上村美裕起、大窪晶、金井圭介、北澤輝樹、時田光

バレエ・ノア(福島あや、藤井咲恵、清水帆波、中村恵莉、庄司妃輝、樋口桃子、吉田梨紗子、松本美帆、佐藤由紀乃、原央子)

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「紙ひこうき」関連のログ
http://d.hatena.ne.jp/kamuro/searchdiary?word=%BB%E6%A4%D2%A4%B3%A4%A6%A4%AD&type=detail