ぼく、歌舞伎やるんだ!


光丘真理「ぼく、歌舞伎やるんだ!」(佼成出版社、1500円+税)

を読んだ。

先日のエントリー(http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20100129/p1)で書いた、

新富座こども歌舞伎
 →http://www.ne.jp/asahi/shintomiza/kk/

に参加した子どもたちの1年余を取材したもので、「感動ノンフィクションシリーズ」という同出版社の、子ども向けノンフィクションの一冊。

『こども歌舞伎に挑戦した、ふつうの小学生の一年』というサブタイトルがついている。

奥付は、2009年11月25日第1刷発行。

著者の光丘真理は、もと舞台女優の児童文学作家。


産経ニュースの書評は、↓
http://sankei.jp.msn.com/culture/books/100117/bks1001170816002-n1.htm


新富座こども歌舞伎」の二期生の子どもたちのうち、1〜3年生までの9人が、2008年春にはじめて顔を合わせてから、稽古を積み重ね、2009年2月の鐵砲洲稲荷神社 節分祭公演、そして同年5月の例大祭公演を成功させるまでを追った内容。

1〜3年生9人のうち、弟といっしょに参加した男の子(2008年度に3年生)が主人公になっている。サッカーが大好きだが、芸事や芸術方面には関心のなかった男の子が、こども歌舞伎で日本駄右衛門を演じきるまでの成長譚、といった趣きだが、ともに「白浪五人男」に挑戦した他の8人の子どもたちもきちんと紹介されていて、森田結海ちゃんも登場する。

新富座こども歌舞伎二期生は14人いて、このうちの4〜5年生の5人が「三人吉三巴白浪 大川端庚申塚の場」を、1〜3年生までの9人が「白浪五人男 稲瀬川勢揃いの場」を演じた。

「白浪五人男」の配役は、赤星以外の4役は節分祭・例大祭とでダブルキャストになっていて、五人男で出ない4人は捕手役に回るというかたち。

例大祭公演で二期生のスケジュールは、終了。新たな活動に踏み出す子もいるなか、9人のうち4人が引き続き次年度も新富座こども歌舞伎に参加を決めるところまでが書かれている。

児童書とはいえ、こども歌舞伎を支えるスタッフの仕事にもふれていて、新富座こども歌舞伎というのは、こういうふうに創られているのかと、1年の流れがおよそ分かる、なかなかおもしろい本。