橘善男氏の投書


今朝(8月4日付)の朝日新聞の「声」欄に、(作家の)橘善男氏の投書が掲載されている。

内容は、丸山定夫をはじめとする「桜隊」が、慰問巡業の途中、広島で原爆に散った悲劇を悼むというものだが、桜隊の追悼会が、6日午前10時半から東京都目黒区の五百羅漢寺で営まれるとのことである。

同投書にもあるが、氏は女優・三戸部スエの甥。

著書に、故・三戸部スエをえがいた「小説 俳優座 わざおぎ狂乱」(鳥影社)がある。「小説 俳優座 わざおぎ狂乱」は、三戸部スエが俳優座を退団するまでが主に書かれ、商業演劇に転じてからの分量は少ないが、むかしは芸術座公演の千穐楽に『鍵渡し式』というのがあったことや「放浪記」のエピソードなど、興味を惹かれる記述は多い。

「小説」と題してはいるが、かつての俳優座の状況、さらに小沢栄太郎がやめるに到る経緯や、市原悦子中村敦夫たちが俳優座を退団するあたりは、当時を知らない(私のような)読者には、格別の面白さがあった。