「Last Dance, First Song」を再見


6月18日(木)に、六行会ホールで、

「Last Dance, First Song」
(脚本:柴田尚、演出:砂川幸子、振付:小暮清貴)

を観劇。

前々日にプレビュー公演を見て(http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20090618/p1)、これが2度目。

午後2時開演の回。

客席は、プレビュー公演よりはお客さんが多かった。この舞台って、富田麻帆さんを見に来るようなアイドル系のお客さんがある程度の割合を占めるのかな?と想像していたけれど、それよりも、広義の関係者っぽい大人の観客が多数だった印象(夜の公演はどうだったか分からないが)。

そもそも、前売りは、イープラスで一般発売されたのが両サイドの座席だったから(1列から出してくれたのは、ありがたかったけれど)、けっこう埋まっていた中央ブロックの座席は、主催者や出演者の扱いだったのでしょう。


この芝居は、冒頭に1999年のシーンがあって、まだ幽霊になる前のダンサーが踊っている姿を紗幕越しに見せて、そのあと続けて、幕前での少女(幼い千春)とおじいちゃん(声のみ)の会話&少女のうたになる。このプロローグで幕を上げて、2020年の劇中の「いま」がはじまる。

プレビューを見たときは2020年の千春が何歳なのかを聞き漏らしてしまい、なんとなく腑に落ちなかったが、千春は1995年生まれだから、25歳。ということは、冒頭の少女は4、5歳の設定なのか。演じる大下夕華ちゃんからは、もう少し上の年齢に思えてしまうが、ダンサーが踊っている様子を、幼い千春が見ているという演出もあるから、冒頭の場面は同じ1999年のイメージシーンと受け取るべきなのだろう。

出番は短いが、大下夕華ちゃんのナマ声で、うたが聴けたのがよかった。帝劇で見るのとは大ちがいの近さで、聴いていて、何だかドキドキした(笑)。
うたの終わりに、ピンクの花びらを2枚飛ばす、あの花びらは、手のなかに握っていたの?プレビューのときに気になったので、次にはよく見て確かめようと思ったが、髪に付けている白いリボンとか、衣裳のワンピースとかに気を取られて、すっかり忘れた。


設定を2020年という近未来にしていたのは、どういう意図なのだろう。昭和を思わせるボロアパートが舞台なのだから、たとえば、平成21年の現在を劇中の「いま」にして、冒頭のシーンをもっと前にずらしてもよさそうなのに…。


家賃格安のボロアパートの押入れに幽霊が棲んでいるというと、荻原浩の「押入れのちよ」を思い出す。あれは、たしか、主人公は男で、幽霊が明治時代の女の子。この「Last Dance,First Song」とは、男女が逆。でも、やはり、男の幽霊は女の前に、女の幽霊は男の前に現れるというのが、ドラマらしさだ。

それに、日本の幽霊は押入れと相性がよさそう。たとえば、クローゼットと幽霊では、変な感じがするもの。


千春の兄の千秋が着ていた衣裳のスーツは、チェンジポケットが付いたものだった。

最近スーツに縁がない私は、もしかして流行ってるのか?と思い、後日、検索してみたら、けっこう既製服を売っていることに、びっくり。私は、チェンジポケットって、オーダーで付けるものだと思っていた(う〜ん、無知だったか…)。


あと1回くらい見たい気持ちを抱きつつも、

終演後は、歌舞伎座へ移動(→http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20090624/p1)


配役:

千春 富田麻帆(サンズエンタテインメント)
ダンサー 寺元健一郎(東宝ミュージカルアカデミーアドバンス)
菊江 池田昌子(ストローハウス)
サクラ 布川美生(東宝芸能)
千秋(千春の兄) 高舛裕一(東宝ミュージカルアカデミーアドバンス)
日暮 小暮清貴(ロックリバー)
少女 大下夕華(東宝ジュニア)