キラリ☆ふじみで創る芝居「グランド・フィナーレ」を再見


2月14日(土)、15日(日)の両日、富士見市民文化会館キラリ☆ふじみマルチホールで、

キラリ☆ふじみで創る芝居「グランド・フィナーレ
(原作:阿部和重、脚本:岩井秀人、演出:富永まい)

を観劇。

14日は昼・夜2公演あったが、見たのは夜公演で18時開演。

15日は楽日で、14時開演であった。

2月7日(土)にプレビュー公演を見て(http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20090209/p3)以来で、私の「グランド・フィナーレ」本公演観劇は、この2ステージ限りとなった。


さて、マルチホールの客席(http://www.city.fujimi.saitama.jp/culture/seat/multi_seat2.html)は、14日夜は、固定座席の前に1列増やしてあったが、各列の端の2席ぐらいは着席不可になっていた。15日は、14日夜と同じ座席で、端の席まで開放していた。

千秋楽の15日は、固定座席の9列分とそのすぐ前に1列並べて10列が、ほぼ満席になった様子(ただし、この公演は、客席後方に音響操作卓が入っている)。


14日は、マルチホール前に出店が出ていたり、館内でパフォーマンスをしている一団がいたりと、2回公演あったせいもあろうか、プレビューの日の閑散とした会場と較べると、そこそこ賑わいがあった。

キャストは、プレビュー公演を見てのエントリーに書いたとおり。
 (→http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20090209/p3)


プレビューからの目立った変更点としては、一部シーンで、サトーズ(分身たち)の動きが整理されてしまっていた。これは、気になった。

最初のほうの、佐藤(松田洋治)と山田(夏目慎也)の会話や、消しゴムを買いに来たあみこ(竹内萌佳)・まやこ(谷水朋花)の場面、つまり文房具屋のシーンでは、サトーズが後ろに並んで座って控えるかたちに変わり、山田が文房具屋のドアになるのも「音(声)」だけにしてあった。結果、件のシーンでの対話のリアルさは強調された訳だが、この変更に、私は、あまり感心しなかった。せっかく、サトーズという分身を使って、主人公の混沌とした心象や、現実とファンタジーが交錯するような劇世界を創るのだから、サトーズが店のドアや商品を演じていたプレビューのときの演出のままのほうがしっくりする。

そういう意味では、プレビュー公演を見ておいてよかったと思う。


(ちはる役の子役)加成しゅうちゃんは、左ききだ。左手で書いていたから。この、ちはるがママの名前やパパの顔を書くところでは、「書いて書いて」といわれて、ちはるが「いいよぉー」と、台本にはない相づちのセリフを入れるのだが、これが独特ないい回しで雰囲気があり、シーンの濃度を上げていた。

加成しゅうちゃんは、プロフィールを見ると、演劇公演ははじめてとのことだが、なかなかおもしろい魅力がある。


14日夜は、終演後にアフタートークがあって、『生田萬×阿部和重×宮沢章夫(遊園地再生事業団)』の3人が登壇。原作者の阿部和重氏は、写真で見るより格好いいひとだ。

私は、これまでに「グランド・フィナーレ」と「シンセミア」しか読んでいないが、いま「群像」に連載中の「ピストルズ」が本になったら、きっと読もうと思った。

アフタートークは、バスの出発時刻の関係で「巻き」が入り、20時25分には終わったが、宮沢章夫氏が、バスの時間で終わりになるアフタートークははじめてだ、といっていたのが可笑しかった。

翌15日の観劇後に、鶴瀬駅まで歩いたのだが、25分もかかった。歩きながら、流しているタクシーが来たら止めようと思ったが、ついぞ来なかった。昼間だったからいいものの、夜にこれでは、たまらない。駅への直通バスの発車時刻に合わせてアフタートークを終えるのもやむをえまい。


以下、余談。

グランド・フィナーレ」を見るにあたり、鶴瀬駅から会場のホールまでの往路は、3回ともタクシーを使ったが、料金は、7日が800円、14日が710円、15日は、キラリ☆ふじみ到着寸前に800円になった。途中、信号で止まる回数が多いか、ほとんど赤信号に引っかからずに行けるかで、90円のちがいが生じるようだ。

この舞台というか作品については、もっといろいろと思うところもあるのですが、自主規制もして(?)、当たり障りのない程度で…