12月26日の歌舞伎見物とくるみ割り人形


12月26日(金)は、歌舞伎座で十二月大歌舞伎 昼の部を見て、そのあと、大船で「くるみ割り人形」というコース。


今月、十二月大歌舞伎 昼の部は2度目の観劇。「高時」には間に合わなくて(11時半には着いたが、もう、犬も泰松も子役の出番は終わっているし、「高時」は身体の動く若い役者が演らないと天狗が出て来た場面の面白味に欠けるから)、おやつと飲み物など調達して、幕間になっての入場。

二月歌舞伎座の夜の部「蘭平物狂」、子役の繁蔵は、中村宜生となっていた。


おとうが写っている舞台写真があったら買おう、と張り切っていたのに・・・おとうは手だけとか、肩の辺りとかしか写ってない! 梅丸さんの所化の写真もなくて、がっかり。吉村海くんの彦七が写っている幸四郎丈の写真で、手が写っていたあの手が、須田あす美ちゃんなのか。


京鹿子娘道成寺は、所化のひとりがする舞のお話(舞尽くし)をしたのが梅丸さんだったので、当たりくじを引いた気分。千秋楽だったからなのか、順番がそうだったのかは分からないが、この日いちばんの見どころ、聴きどころであった。


「佐倉義民伝」は、(直訴の場の小姓を含めて)初日とは別組の子役を見ることが出来た。春木来智くんの彦七は眉目秀麗で利口そうで、初日に見た吉村海くんの彦七は子役らしいいい声でセリフが上手かった。タイプの異なるダブルキャストだったと分かる。

26日のおとうは原口智照くんだったが、まだ「先代萩」の千松の記憶が新しい。千松といえば、「竹の間」で、曲者の鳶の嘉藤太が上から降りて来たとき、後ろに控えていた千松がささっと前へ出て、片膝立ちに左手で鶴千代を庇う様子が、いい。あのシーンは、かなり好き。

舞台で、おとうと徳松が食べる、仏壇に供えてあるあのお菓子は美味しいのかと、それにしても、気になる。

 http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20081202/p3(十二月大歌舞伎の子役)
 http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20081212/p1(佐倉義民伝の雑感)


ととさま、いのー、ととさま、いのー、ということで、愚僧の話もこれでおしまい、じゃなくて、年内の歌舞伎見物はこれでおしまいとなり、このあと、新橋までぶらぶら歩いて、といっても、寒風が吹いていてさむく、途中、博品館に寄ったり、そば屋で早目の腹ごしらえをするなどして、新橋から東海道線で大船まで。

鎌倉芸術館(大ホール)は、はじめてだったが、贅沢な感じのする落ち着いたホールである。イトーヨーカドーの並びに位置するので、大船駅からそれを目指して行けば迷わないし、もし早く着いたときは時間つぶしも可能だろう。

参考までに書いておくと、鎌倉芸術館大ホールの1階座席は、7列から段差がついている。


スズキ・バレエ・アーツ第22回公演「くるみ割り人形」全幕
  (これ。→http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20081106/p1)
は、午後6時30分開演で、20分の幕間あって、8時40分頃終演。

谷桃子バレエ団のバレエ・ミストレスのひとが主催しているスタジオの公演だけあって、同スタジオ出身者を含めて、谷桃子バレエ団からの出演が多数で、そういう意味では面白い公演だった。ただ、「くるみ割り人形」として面白いかといえば、そうではなく、全般に単調な舞台だった。音楽が生演奏なら多少ちがった印象もあったかも知れないが。

特徴的なことを挙げておけば、ドロッセルマイヤーの設定が人形師であること、第二幕の最初が「海底の国」になっていること(第二幕の1曲目よりも時間の長い場になっていた)。

クララは大人のダンサーで通しているが、それにしては、設定にとくにひねりはなくクララの踊りどころも少ないと思った(第一幕の「冬の松林」ではすぐに雪の女王と雪の王のパ・ド・ドゥになってしまい、第一幕でのクララと王子の踊りは僅か。第二幕の「海底の国」の場で、王子と踊るシーンはあるけれど)。
ねずみやキャンディケーキ(おばさんは出ない)など子どもたちも登場するが、もう少し上級の生徒が出演の中心。

最後は、クララの家の広間に戻って幕となるが、時計は11時をさしていたから、まだその日の夜のうちの、夢の出来事だったということだろう。

公演プログラムは、500円で販売。


1月10日に同ホールで行なわれる、庄司紗矢香ヴァイオリン・リサイタルのチラシがあったので、数枚取って来た。私の予定は、サントリーホールのほうではあるのだが。

帰りは、湘南新宿ラインの普通グリーン車で。