秀山祭九月大歌舞伎 昼の部


先週は、9月16日(火)に、歌舞伎座で、秀山祭九月大歌舞伎 昼の部を見物。

11時開演。途中30分と20分の幕間があって、終演は、3時40分頃。

秀山祭九月大歌舞伎の昼の部。演目は、

竜馬がゆく 風雲篇」(齋藤雅文 脚本・演出)
「ひらかな盛衰記 逆櫓」
「日本振袖始」


今月の歌舞伎座に出演の子役は、↓に書いたとおり。
http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20080903/p4


開演の20分ぐらい前に到着し、早速、舞台写真を見に行くと、あった!!

おりょう役の市川亀治郎丈の写真3点に、妹・君江役の子役がいっしょに写っている。ただし、ひとつは背景になってしまってピントが合っていないので、他の2点を購入。舞台写真の君江は、谷口可純ちゃん。おにぎりを両手に持っているほうのカットは写っている角度も、いい。

「逆櫓」の中村東蔵丈(およし)の写真に、槌松の子役がいっしょのが1点。子役は、高橋飛和くんでしょう。これも1枚購入。

以上、3点のお買い物。1500円也。

この日は、舞台写真の子役が出演していた。




ほとんど眠れなくて、朝方50分程度の仮眠に等しい睡眠で出かける破目になったものだから、とにかくひどい寝不足。それでも、「竜馬がゆく 風雲篇」は、おりょうの妹の登場もあって、支障なく見ていられたが、次の「逆櫓」では寝不足がたたりはじめ、とにかく睡魔を振り払って舞台を見ているのに必死な状況。けれども、「逆櫓」もまた子役が出ている演目なので、槌松実は義仲一子駒若丸の「ひぐち、さらばー」の発声まで、どうにか持ちこたえることに成功。

が、ここまででもう、ヘロヘロ。「日本振袖始」は見ないで「さらば」しちゃおうかとも思案したが、ロビーの椅子に座って自販機のペプシコーラを飲んで、氷をガリガリかじっているうちに5分前になったので、なんとかもうひと踏ん張りしようとて席に着いたが、「日本振袖始」では眠気に克てず、若干記憶が飛んでいる。

人身御供の話は大好きなのだけれど、中村福助丈(稲田姫とは、クシナダヒメのことなのね)は人身御供というよりも、とって食うか化けて出るほうのイメージなので、そのあたりが物足りない部分。




竜馬がゆく 風雲篇」は、昨年の秀山祭で上演した「立志篇」の続編のかたちだが、この「風雲篇」だけしか見なくても、別段問題はなさそうだ。坂本龍馬が、池田屋騒動のことを知る件りから、蛤御門の変後の楢崎りょうとの出会い、西郷隆盛を説いて薩長同盟へ導き、寺田屋襲撃の難を逃れておりょうとのハニームーンを約束するまで。

第一幕、主役の登場では、舞台後方からライトを放射して、田村正和公演を彷彿とさせる演出が目を奪う。ただし、市川染五郎丈の龍馬が手紙を読んでいるだけでは、いささかもったいない。

歌舞伎座の舞台の広さを観客に見せながら、廻り舞台を回す場面転換は、時代が大きく動いた幕末の、歴史のダイナミズムを表すかのようで、エピソードのつまみ食いになりがちな構成を補う雰囲気があった。

おりょう(楢崎りょう)の妹の名前が君江というだけでなく、役者が市川亀治郎に谷口可純では「袖萩祭文」の母娘だし、おりょうは刀なんか差していて、主役が染五郎と来れば「毛谷村」を連想するし、次の芝居(逆櫓)にはその「毛谷村」の子役の名前もあるし…。

女衒から逃げて来た谷口可純ちゃんが龍馬にもらったおにぎりは、いくら食べても減らなくて(笑)、最初はひとつだったのに、姉のおりょうにおしつけられて、両手におにぎり。そのまま第一幕が終わるまで、おにぎりを持ったまま。第一幕の幕切れには、また、おにぎりをかじる訳で、かなり食べごたえがありそう。とにかく気になる、あのおにぎり。

亀治郎丈の隣に立つと、谷口可純ちゃんの君江はお人形みたい。

(龍馬の警護役の)三吉慎蔵の片岡松次郎という役者さん、名題下なのにずい分といい役を演っている。