地人会活動終了についての解説記事 その他


9月20日付読売新聞解説面に、演劇制作集団「地人会」解散についての解説記事が載っていた。

地人会を含めた新劇団や新劇系のカンパニーは、演劇鑑賞団体の例会による巡演を収益の基盤にしているが、近年は、鑑賞団体が演目選定に際してミュージカルや喜劇などの娯楽作品を志向するようになったり、鑑賞団体の会員の減少などもあり、地方巡演に頼った公演形態が曲がり角に来ている、という内容で、地人会の解散をその象徴的な出来事と見る論調だ。

同記事によれば、1981年に活動をはじめた地人会は、80年代後半のピーク時には年間500ステージの公演回数を数えたが、昨年は172ステージにまで減少していたという。


関連の過去ログ。
http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20070909/p1

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さて、ここからは記事の内容を離れる。

大劇場の商業演劇には団体客が、新劇には演劇鑑賞会が不可欠というのが演劇公演の実際なのだろうが、各地にある演劇鑑賞会というのは、一般的にはどの程度知られているのだろうか? 私は演劇鑑賞会の類にはもともと偏見があって、むかしむかしの高校生の頃には、こっそり芝居を見ている秘密結社のように思っていた。いちど入ると抜けられないのではないか、とか、特定の思想や団体が係わっているのではないか、など。偏見だとしても、それくらいに、外部の人間には実態が分からないものだった。

ほとんどの演劇鑑賞会は、3人以上などグループ単位での参加が原則で、というのは、ただ観客というだけでなくスタッフ仕事が回って来るからで、例会(鑑賞団体の貸切公演)で呼ぶことになった舞台は、全部もしくは決められた数を必ず見ないといけない。首都圏に住んでいて、日頃から、見たい舞台を自分の意思で選べる環境にある者にとっては、これだけでも、面倒に感じる。安く(廉価で)見られるともいうが、各種の制約や、(劇場ではない)地元のホールでの上演ということを考えると、必ずしも料金は安くない。

最近は多くの演劇鑑賞会がホームページを開設して情報を出している。
翌年以降の例会の予定や、候補作品を載せているサイトもあり、それを見ると、各劇団や制作会社の再演予定や動向が察せられることがあるので、そうした興味で、演劇鑑賞会のサイトを検索して覗いてみるのは面白い。(ので、私はたまにやっている)