劇団四季「ふたりのロッテ」を観劇


9月9日(日)は、自由劇場で、劇団四季のファミリー・ミュージカルふたりのロッテを観劇。この日、東京公演の千穐楽


開幕したばかりの「ウエストサイド物語」と、この「ふたりのロッテ」と、どちらを見ようか迷ったが、プログラムも欲しかったので、後者に決めて前日予約。2時00分01秒と02秒の間くらいの見事な着信だったのに、入力していたら、あ?切れた!(笑) あとから考えると、0#をひとつ抜かしていたようだ。急いでやり直したが、それでもちゃんと予定通りの席が取れたし、しかも、視界の抜け具合からすると、かけ直しになったのがかえって怪我の功名だったかも知れない。


12時開演。ロビー表示の時間割りは、一幕60分、幕間15分、二幕45分。この日の終演は、午後2時10分頃。

公演プログラム、500円。良心的な値段だ。子ども向け作品だからか、プログラムのキャスト紹介も、劇場配布のキャスト表にも、俳優の名前にふりがなが振ってあって親切だ。

この日の配役は、以下のようだった。

ロッテ:吉沢梨絵
ルイーゼ:五十嵐可絵
パルフィー氏:勅使瓦武志
ケルナー夫人:坂本里咲
ムテジウス校長:服部幸子 (劇団昴)
ウルリーケ先生:奥田久美子
ペーター先生/ベルナウ編集長:井上隆司
アイペルダウワー/シュトローブル博士:川地啓友
イレーネ:武木綿子
レージ:大橋伸予
マーサ:山下由衣子
オルガ:服部ゆう
メグ:是澤麻伊子
ヒルデ:梅崎友里絵
ローザ:灰田明日佳
ブリギッテ:齋藤舞
シュテッフィ:小澤真琴
クリスチーネ:山本奈未
トルーデ/アンニー:木内志奈
モニカ:河内聡美


結局、後藤華子ちゃんは、自由劇場での出演はなかったみたいだ。舞台で見たいね、舞台で!このあとの、神戸、京都公演は、大阪ヤングナラにすればご当地だが、出演はあるのかしら?さらにあとの、たとえば小平あたりでは、どうだろう、と。


さて、「ふたりのロッテ」。大人が子どもの役を演じるのはあまり好きではないのだけれど、子どもっぽく演じるのでなく、若さを強調したようなつくりがはつらつとして、みながなかなかかわいくて、楽しい舞台になっていた。また、若手女優陣は、髪形や雰囲気で他のシーン(での別の役柄)との差異もきちんと出している。

ダンスはバレエを基調にしているようでも、総じて速い振りが多く、ミュージカルの特長をそのスピード感にのせているといった印象。たとえば、タンバリンを使ってのダンスアンサンブルや、小道具の使い方が楽しいルイーゼとアンニーのけんかの場面などでも動きの速さが見る側の気持ちを盛り上げる。

大人役の俳優は、女優の5人がそれらしい落ち着きや存在感があって上手いのに対して、男優の3人は、(ベテランも含めて)どことなく形式的な印象がした。俳優個々の技量や私の好みもあろうが、ごく当たり前の人間を舞台の上でリアルに見せるのは、女性よりも男性のほうがむずかしいということの表れでもあるか、と思った。

謡曲っぽさと叙情性とが綯い交ぜになったような、いずみたくの曲調は、心に響いて心地よかった。

二幕での、鏡を使ったシーンは、せっかくの鏡がチープなために、あまりきれいに見えず、必ずしも効果的でない。


劇団四季が上演する劇団四季の「ふたりのロッテ」を見るのは、今回がはじめてだったが、まだ関東国際高校演劇科と四季の関係が深かった頃、同校演劇科が卒業公演として上演した「ふたりのロッテ」(1995年12月、川口リリア メインホール)を見たことがあったので、作品のおよその流れは知っているつもりだったが、やはり最後に両親のよりが戻るところはあまりにあっけなさ過ぎな感じがする。なので、かえってイレーネの立場のほうを想ってしまうのだった。


キャストでは、梅崎友里絵さんがよかったな。表情がよくって、かわいくて(田中千賀子バレエ団の出身なのかしら?)。

ロッテとルイーゼの誕生日は9月14日だというから、もうすぐだ。(9月14日生まれって、たとえば、元ヤングナラの誰れさんとか、「輪違屋糸里」の主役のひととか、同情するなら金をくれのひととか、がそうだね)


観劇日は、東京公演の千秋楽とあって、カーテンコールの幕は何度も上がった(が、あいさつなどは、なし)。


ところで、「ふたりのロッテ」は、劇団四季上演記録を見ると、主なスタッフのクレジットが次のように変遷している。

初演時(1971年)〜「ケストナー原作、高橋健二訳、矢代静一作、宮島春彦演出、いずみたく作曲、山川啓介作詞、山田卓・向井好一振付」

その後、1977年の上演で「ケストナー原作、高橋健二訳、矢代静一作、浅利慶太監修、宮島春彦演出、いずみたく作曲、山川啓介作詞、山田卓振付」となり、

1984年には「ケストナー原作、宮島春彦原案、矢代静一脚色、梶賀千鶴子潤色・演出、いずみたく音楽、山川啓介・梶賀千鶴子詞、望月めぐみ振付」

1995年には「ケストナー原作、矢代静一劇団四季文芸部台本、浅利慶太演出、いずみたく作曲、山田卓振付」

2000年〜「ケストナー原作、矢代静一劇団四季文芸部台本、浅利慶太演出、いずみたく作曲、加藤敬二振付」