八月納涼大歌舞伎 第二部を観劇。


8月28日(火)に、歌舞伎座で、八月納涼大歌舞伎の第二部を観劇。

午後2時45分開演。

今月の第二部は前評判が高かったのか、チケットが早々に売り切れる人気。
子役が大勢出ると知ってから、出戻って来た席をおさえて、この日の見物となった。三階席だが、6列なので見やすい。


開演前に、舞台写真を物色。中村鶴松さんの写真が3点あったので、1枚ずつ購入。「新版 舌切雀」の黒鳥、「越前一乗谷」の愛王丸が2種(ひとつは福助丈との並び)。

他に、「舌切雀」の子役の子雀が後ろに写り込んでいる写真があったが、誰れだか分からないので、購入は見送り。また、「裏表先代萩」の写真には千松や鶴千代が写っているものがあったが、子役の顔が分かるものはなく、こちらも購入せず。


さて、第二部は、「ゆうれい貸屋」(山本周五郎 原作、矢田弥八 脚色、大場正昭 演出)も、「新版 舌切雀」(渡辺えり子 作・演出)も、揃って前人気にたがわず、大いに面白く、観劇後の満足度は高かった。

歌舞伎本来の面白さとは少しちがうのかも知れないが、「ゆうれい貸屋」では肩の凝らない芝居の楽しさを提供し、「舌切雀」では次々と繰り出す趣向とセリフに散りばめた時事性とで観客を楽しませる。


「新版 舌切雀」は、ミュージカル好きなお客さんが見たら、かなり面白かったのではないかと思う。同じ渡辺えり子作・演出としては、「今昔桃太郎」よりも今回の「新版 舌切雀」のほうがよく出来ている。「桃太郎」は中村勘九郎の集大成という制約があったのに対して、「舌切雀」では自由度が増したからだろうか?

勘三郎丈の強欲婆さんは、快演ともいうべき怪演で、その「玉婆」の意地悪婆ァ振りは、あんなふうに生きたらそれはそれで楽しそうだと思わせる。扇雀丈の蚊ヨの「蚊」という設定がとくに可笑しく、配下を引き連れ堂々の登場にも、蚊取り線香にあっけなく撃沈される展開がなんとも笑えて、夏の風物詩を取り込んだところもまた見事。(「ゆうれい貸屋」の幽霊といい、8月らしい風情だ)

誰れの心でも読める賢者の小人って、「火田七瀬」みたいだね。

白鳥の湖」のパロディを、もう少し長く見せて欲しかったな。期待の鶴松さんの黒鳥が、本舞台に来るまで見えず。

「舌切雀」の子役は、8人(http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20070813/p2)。まず雀で登場し、次にペンギン。そのあと、終盤になって、蓮の精の取り巻きの子ども(?)で登場するが、ここで出て来るのは、6人。3役ともに、着ぐるみではなく、かつらに着物。
子供ペンギン(ペンギンというより、小坊主といった拵え)では、群舞に加わる。


「ゆうれい貸屋」の子役は、女の子は「祭禮」のうちわを持ってしばらく舞台にいて、そのあと、下手ソデにお祭りの神輿が来たらしく、女の子と男の子が、わーっと、舞台奥から出て下手へ走って行く。


終演時刻は、ロビー表示のタイムテーブルよりも早く、5時24分頃だった。