「佐賀のがばいばあちゃん」(中日劇場) 初日


8月3日(金)は、中日劇場で「佐賀のがばいばあちゃん(池田政之・脚本、市川正・演出)を観劇。

劇場が入っているビルのエレベーターは、いつも開演前は列をなしているので、4階までエスカレーターを使い、そこからは中日アルプス(このビルの階段の愛称)を上る。とにかく暑いので、舞台を見る前から疲れた。同じアルプスなら、「サウンド オブ ミュージック」のアルプスのほうがいいな。あのセットのアルプスは、すぐ上れそう。


午後2時開演。この日、初日。

ロビー表示の時間割は、一幕1時間40分、幕間25分、二幕1時間。終演は、少しおして、5時10分頃だった。(※ただし、3日は初日とあって、芝居の前に、原作者の挨拶&しゃべくりが10分ほどあって、上演時間にはその分も含まれているので、注意)

劇場2階のロビーには実演販売のコーナーがあったが、そこで今井樹里ちゃんを見かけたので、香織役は村瀬瑠里子ちゃんが出るのだと分かった。


公演プログラムは、1000円で販売。

出演の子役は、すでにスポーツ新聞等で発表されていた通りだが、
(http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20070611/p2)
配役を付して引いておくと、


小学生の昭広:山口航・飛永翔
小学生の南里:坪井憧・稲垣翔哉
小学生の久保:佐々木泰喜・安藤嵩将
小学生の橋口:池上光輝・北川翔登
小学生の信一:落合弘明・松下誠寿
小学生の美智子:米田直加・鈴木理紗
小学生の香織:村瀬瑠里子・今井樹里
小学生の千明:奥村帆乃香・木田天音
中学生の美智子ほか:戸辺智花・野口明


初日の子役9人のうち、私が客席から認識出来た7人は、上記の記述で名前が先になっている子が出演していた(プログラムの表記でいうと各役で名前が右側に載っている子)。・・・だから、組分けになっているのだとすれば、そう思っていればいいのかな。→[追記] このログのコメント欄にいただいた情報によると、組分けはそれでよいようです。コメント欄を参照して下さい。


1階客席は通常どおりに、1列からだが、舞台は少し張り出してあって、上手・下手に花道がつくってある。花道というのは、新宿コマ劇場タイプの花道のことで、帝劇でいうところの脇舞台と同じものである。この両側の花道から役者の出入りがあるなど、舞台を左右に広く使うので、前方の座席だと脇のほうが若干見にくいことがあった。


子役も出ているし、夏休みの上演で、普段の月よりチケット代も廉価になってはいるけれど、内容は大劇場の商業演劇そのもので、いい意味でもその反対の意味でも、いかにも商業演劇らしい舞台である。つまり、主たる客層である年配のお客さんたち(とくに、ご婦人客)を笑わせつつ、ほろりと泣かせて、というお芝居だ。じっさい、中・高年のお客さんのウケはかなりよかった様子。

原作を読んでいないので、どこまでが原作のエピソードそのままで、どこから脚本家のアレンジや創作でふくらませたものかはよく分からないが、「佐賀のがばいばあちゃん」のなかに、人情喜劇ふうなストーリーが盛り込まれている。それを担うひとたち(曽我廼家文童、山田スミ子、他)の芝居は上手いし、面白いのだが、テレビドラマで見た「佐賀のがばいばあちゃん」とはちがっているなぁ…、という部分も。

また、けっこう「場」が多くて、転換の都度、幕前になる。幕前芝居でつなぐという運びは、商業演劇の常套ではあるし、小学生の昭広と母(音無美紀子)の手紙のやりとりを見せたり、子役たちも幕前で使われるのだが、大人の昭広(島田洋八)が登場して語る印象がどうしても強い。
ドラマでは見せ場のひとつだった「湯たんぽ水筒」のエピソードが、幕前でさらっと終わってしまったのには、軽くびっくり。


時間の流れとしては、大人の昭広とかつての同級生たちが再会し、過去を回想するというかたち。
第一幕が、昭広が小学2年生のときで、第二幕では中学生。子役が出るのは主に第一幕で、第二幕は大人の役者が中学生を演じるが、二幕の中学生の美智子は子役なのに、中学生の香織が村井麻友美さんというのは、ちょっと無理というものではあるまいか(出て来たときは、一瞬、先生かと思った)。


一幕の運動会では、昭広と同級生の男の子の計4人が、上手の花道から、下手の花道へと、徒競走で舞台を走る。(最前列で見ていたから、おー、来た、って感じ(笑)。あっという間だか、なかなかいい) 女の子ふたり(美智子と香織)は、ブルマがかわいい!(つい前日まで、トラップ家の女の子の白いドレスがかわいい、と思っていたが、こっちの衣裳のほうがかわいいぞ(笑))

二幕のマラソン大会のシーンを、中学生の昭広(このひと→http://www.mausu.net/talent/tpdb_view.cgi?UID=142)が客席におりて、あんな演出で見せきってしまうなんて、商業演劇って奥が深い、と思った。


カーテンコールは、子役を含めたオールキャストで。昭広の同級生役の子たちは、なぜか運動会!の衣裳で登場。

カーテンコールで出演者全員がひとつずつ客席に飛ばした紙飛行機。あれ、何の紙で折っていたのだろう?みんな同じ紙で折ってあったよね。


坪井憧くんを、はじめて見た。剣道をやっていたり。(余談だが、公演期間中には、NHKのドラマ「勉強していたい!」が放送される模様)

子役のなかでは、昭広の友だち役とは少しちがったポジションで、コメディリリーフみたいなことをする信一・千明兄妹が面白い。うたうシーンもある。(初日とは別組に、松下誠寿くんが配役されているので、どんな感じか見較べてみたかった)

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[追記]
再演(2008年9月26日公演)の雑感は、→
http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20081001/p1