決定版 十一ぴきのネコ (劇団若草)



3月下旬に、劇団若草アトリエでの「決定版 十一ぴきのネコ」(井上ひさし作、宇野誠一郎作曲)を観劇。



劇団若草附属養成所平成17年度卒業公演で、田辺国武演出による井上ひさしシリーズの第14弾と銘打たれている。



音楽劇。ソデでの生伴奏(菊池慶太)による上演。



午後7時を少し回って開演、休憩を挟んで、終演が9時15分頃だった。



(公演のしおりのような)パンフレットを無料配付。



狭くて天井の低い舞台、そして客席も、条件がいいとはいえない。が、(日頃、商業ベースの公演ばかり見ている目には、)衣裳をはじめ手作りな雰囲気が濃いのが新鮮で、出演者のアンサンブルのよさもあって、楽しい舞台だった。



それぞれにいきさつやトラウマを背負っている、お腹を空かせた猫たちが集まって、のら猫のユートピアを目指そうという、一種の冒険譚ふうに進行するが、せっかく大きな魚を捕まえて、お腹がいっぱいになったのも束の間、哀しい結末が待っている。

井上ひさし流に社会批判を反映させた幕の引き方は、十一ぴきのネコたちの過去と合わせて、考えさせられる。その直前まで、ミュージカルらしい楽しいシーンが多いだけに、やや唐突にも感じられて、最後の場はひとすじ縄では行かなさそうだ。



出演者は、一部がダブルキャストや役替わりになっていて、若草セレクションからの出演もあり、私が観劇した日の配役は、下記のよう。



(主役の)渡辺早智子さんの演技に、にゃん太郎というのはまさにこんなキャラクターなのだろうな、と思わせる説得力があった。前向きにがんばる役どころを嫌味なく演じて、うたも上手く、好感度高し。(って、このひと、むかし、ミクロコスモスの舞台に出ていた渡辺さん、ですよね…)



宮本杏子さんは、リトル・コゼットを演っていた子役時代より、いまのほうが、かわいい。にゃん四郎の衣裳に、ホカロンの袋がついていたのが、おもしろーい。細いけれど、きれいな声。





にゃん太郎: 渡辺早智子、 にゃん次: 土屋藍子、 にゃん蔵: 井口智宏、 にゃん四郎: 宮本杏子、 にゃん五: 戸田千恵子、 にゃん六: 成田友絵、 にゃん七: 桑原江美子、 にゃん八: 丹野浩司、 にゃん九: 井場景子、 にゃん十: 勝又絢子、 にゃん十一: 椿由香、 にゃん作老人: 中村崇 / 声の出演: 斉藤四郎(二期会)





ところで、にゃん十一って、にゃんじゅういち、とそのまま読むのだね。

げっぷ、おなかがいっぱいで、げっぷ、げっぷ(笑)。