ココ・スマイル4 金星のステージ
博品館劇場で「ココ・スマイル4 〜金星のステージ〜」を観劇。
千秋楽のSバージョン(ダブルキャストのココ役は、佐藤すみれ)。
佐藤すみれさん演じるココがすばらしい、のひとことに尽きる。
舞台に出て来た瞬間から場をさらえる子役らしい「華」。この子にいわれたら、誰れもがうなずいてしまうだろうと思わせる、技術を超越したセリフの説得力。透きとおった声は、うたえば鈴のように、聴く者の心を鳴らす。すっと立った姿もきれいだ。
ジュニアミュージカルの主役は、かくありたい。
ちょっとミステリー仕立てでもある、虚実の読みにくい展開を、スムースにつないで見せ切ったのは、狂言回しとしてのココの手柄。決して熱演や過剰に陥らず、透明感を保ちつづけられるのは、資質なのだろう。
ココは、佐藤すみれを得て、幸せにちがいない。
すみれココの、頭の後ろの髪の分け目が、ギザギザになっていたね(おもしろい!)。
ストーリーは、少女版「コーラスライン」といえば、分かりやすいか。
女の子たちがオーディションの悩みや不安を口にしたり、過去を語ったり、途中でひとりけがをしたりと、いかにも「コーラスライン」だ。
「コーラスライン」でラインに並ぶダンサーは17人だが、この「ココ・スマイル4」も、ココを加えると17人で、おそらく、そこまで考えて書かれたのだろう。なにしろ、演出や振付けをしているのは、かつてのダンだったり、キャシーなのだから。じっさいのダンスシーンでも、それっぽい振付けが見られた。
タイトルロールの魅力と、一時期大好きだったミュージカルのパロディを、楽しませてもらった。
公演プログラムは、500円。