丸木美術館が存続の危機



8月6日付の読売新聞埼玉版に、「丸木美術館存続の危機 入館者減などで財政難」という記事が載っていた。



反戦・平和を訴え続けた画家・丸木位里(いり)、俊(とし)夫妻の作品を展示する東松山市下唐子の「原爆の図 丸木美術館」が財政難に陥り、存続の危機に直面している。同美術館は広く支援を呼びかけ、資金繰りに奔走している。


 とのこと。



その数日前には、朝日新聞にも、「「原爆の図」展示 丸木美術館が存続の危機」という見出しで取り上げられた模様。



入館者数は84年度の6万3611人をピークに減り続けている。01年度には2万人になり、昨年度は1万3759人まで落ち込んだ。



 美術館離れの風潮に加え、95年に位里さんが94歳で、00年に俊さんが87歳で亡くなったことも影響している。個人美術館は作家の盛衰と歩みを同じくするとされ、新作が発表できないこともあって求心力がなくなった。




私が学生だった頃が、入館者数がピーク、またはそれに近い時期に当たるようです。


たしかに、当時、私やその周辺が経験した平和教育では、広島、大江健三郎、丸木夫妻の画…というのは必ずといっていいほど教材として扱われました。高校の修学旅行が広島で、かなり時間をかけた事前学習が行われ、女子生徒の一部には丸木氏の画に心酔しちゃったグループもあったくらい。



ただ、昨今は平和教育の状況もちがって来ているようだし、美術館の立地として、ちょっと行って見ようと思うには条件がよくないのでは? 美術館運営を支える「友の会」制度は、一般の年会費は2000円というから、そのくらいなら払ってもいいなと思う金額だが、ネックはむしろ、県内に住んでいても、現地まで足を運ぼうという気になれないことだと思う。