壽 初春大歌舞伎 夜の部 他



26日(水)は、浅草歌舞伎の第1部を観劇後、銀座へ。



所用をひとつ済ませた後、本を買いに。いつもは旭屋へ行くところ、歌舞伎座へ戻るのが面倒で、教文館で。

「演劇界」3月号で、1月大阪松竹座の子役を確認。

天満宮菜種御供」の手習の童に、大畠零士、藤本惠太、藤本奈穂美、金子美優歩、大西麗未。「一條大蔵譚」の小姓に、丸木愛実。「吉田屋」の禿たよりに、山崎奈月。

と、大阪の大歌舞伎も、今月は、たくさん子役が出ていた模様。 敬称略



さて、

歌舞伎座で、壽 初春大歌舞伎の夜の部

入場後、早速、今月の舞台写真を物色。



中村児太郎くんの太刀持ち音若は、6カット。他に、芝翫さんの源頼光といっしょの音若が、2カットあった。

「土蜘」は松羽目ものなので、いい感じの写真は後方に鳴物のひとが写り込んでいたりで、さて、どれを買おうか、とかなり迷った。挙句、音若だけが大きく写っているものを2枚選んだ。

同じ「土蜘」から、石神実は四郎吾の柿本明久くんをおんぶしている中村吉之丞さんの巫子の写真も1枚購入。



そういえば・・・当月の演目から名場面を描いた 栗芳画の猫絵はがき、新作が出ていないのだけれど、もう新しいのは、出ないのかしらん。毎月ひとつ、猫絵はがきを選ぶのも、歌舞伎座の楽しみだったのに。





まず、「鳴神」

この芝居は、見ていてイライラする。鳴神上人に同情してしまうのだ。雲の絶間姫なんて、あんな仰々しい女がしゃなりしゃなりと現れ、色仕掛けでころりと騙され、せっかくの行法が破れては、かたなしである。そりゃ、雷にでもなって追わずば、気がおさまらないだろうさ。

所化どもの「お師匠さま、いのー。お師匠さま、いのー」が面白し。

難をいえば、ちょっと長く感じた。



「土蜘」

僧智籌(ちちゅう)を怪しい者と看破する、(源頼光の)太刀持ち音若。智籌に立ち向かうなど、なかなかに凛々しい役どころの児太郎くん。ただ、前半は、能の様式で演じられるため、セリフが難しそうだ。 

うとうとと、眠りに誘われそうになるあたりの細かい演技が、見どころだった。



子役が演じる石神実は小姓四郎吾は、アイ狂言に登場。柿本明久くんは、びっくりなくらいに小さかった。



「土蜘」で小鼓を奏していた田中傳左衛門さん。今月は、浅草で1部、2部の「鏡獅子」で演奏した後、歌舞伎座へ移動していたのだね(浅草歌舞伎第2部の「鏡獅子」が終わってから、「土蜘」の開演まで、1時間半ぐらいか)。

今月は、役者さんも掛け持ちが多い。



「魚屋宗五郎」

とっても面白かった。とくに時蔵丈のおはまがすばらしく、高麗蔵丈のおなぎ、宗之助丈のおしげと、女形のひとが揃って印象的。

時蔵さんは、今月なら、雲の絶間姫よりも、おはまや (新橋演舞場文七元結」の)お駒のほうが、私は好き。



子役は、おなぎに頼まれ宗五郎の家にお酒を届ける酒屋丁稚に、長谷川秀彰くん。大きな声で、明瞭にセリフをしゃべった。少し声を張り過ぎな気もしたが、愛嬌のある顔立ちで、花道では拍手が沸いた。

磯辺の殿様の小姓に、春日祐太くん(昨年の歌舞伎座海老蔵襲名の「助六」で、白玉付きの禿を演っていた子)。



ところで劇中、(幸四郎丈の)宗五郎が(染五郎丈の)三吉をとがめて、「しもんと出やがった」とかいうのだが、この「しもん(四文)」とは、話に横から口出しすること、軽率で差し出がましいことをいうのだね。

帰宅後に辞書を引いて、ひとつ勉強になった。