ふきげんな過去


先日、出先で時間を調整し、某シネコンにて、

映画「ふきげんな過去」(監督・脚本:前田司郎)

を見た。

過去ログのこれ。→http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20160508/p1

暑くてけだるい昼下がりに見るにふさわしい(?)けだるい映画。

スクリーンに夏休みのけだるさが横溢していて、見ているうちにどんどんこちらの気持ちや身体も弛緩して来る。

映画を見はじめてまもなく、「ふきげんな過去」というタイトルには、「不機嫌な果子(二階堂ふみが演じるヒロインの役名)」が懸けてあるのだと分かった。

いとこのカナ役の山田望叶ちゃんがペロペロキャンディーみたいに虫眼鏡をしゃぶるのが、なんだかすごい。もちかちゃんが、映画の後半で包帯&眼帯姿になるのは、爆弾にあたったから。

すごいといえば、いつもぐったりして動かない赤ん坊の奇妙な存在感。

未来があるはずの娘が「果子」(=過去)で、過去を抱えている実母の名が「未来子」、という役名にふたりの対立や相関性が込められていたり、昭和的な都市伝説、見る側の気持ちをくすぐる小ネタが散りばめられているなど、そのあたりに小劇場芝居っぽさを感じるべきなのかな。

でも、ワニはいた、というのがラストの落ちというのもどうなんだか・・・

終盤になって、ようやく、二階堂ふみちゃんの制服姿が見られる。

だけど、果子が傘の先っぽに犬の糞を塗っていたっていうのも、よく思いつくなぁ。

それにしても、あの家には、クーラーがないのか。

3人で、夜中に、爆弾をつくるための硝石を掘りに行くシーンがちょっと幻想的。(だけど、そこでも、トイレネタになる)
http://www.fashion-press.net/news/gallery/23761/412061/1

この映画、小泉今日子二階堂ふみが母娘役で共演、という話題性に較べて上映館が少ないと思ったが、見てみれば、さもありなんと納得してしまう。