ハイパーガールズミュージカル 遥かなるミドルガルズ(シアターブラッツ)


2月26日(木)に、シアターブラッツで、

ハイパーガールズミュージカル「遥かなるミドルガルズ」

原作・脚本:麻草郁、演出:朝倉薫、作曲:神津裕之、振付:倉敷あみ、振付補:またか涼

を見た。


この日の午前中は、さいたま市の東のほうへ行っていて、その出先から埼玉高速鉄道に乗って南北線直通、市ヶ谷で都営新宿線に乗り換えて、新宿三丁目で下車、雨のなか、シアターブラッツへ。思ったより時間がかかって、14時開演に間に合うかな?と心配になったが、開演10分前に着いた。

会場のシアターブラッツは、地階にある小劇場で、今回はじめて入った。ここは、よくお笑い系のライブをやっているところだよね。いつだったか、お笑いの新人(?)タレントらしき若者が歩道にいた数人の女の子(ファンだったのかな?)に、もしまだならチケットを買ってくれませんか、などといっているのを、通りすがりに見たことがある。

ステージの大きさや使い方、客席からの距離感が、なんだか東俳テアトロ館に似ている気がした。劇団東俳の自主公演が行なわれるあの小ホールも地階、というか半地下のようなつくりだし(東俳のあそこは、上手側にはソデがなかったけど)。
ベンチシートでも、シアターブラッツは低いながらも背もたれがあり、所見の回は、左右とも5人掛けとの案内がはっきりあったので、座席環境は東俳テアトロ館よりもずっとよいとはいえる。(これは余談だけれど、東俳テアトロ館のベンチシートは背もたれがないだけでなく、座面が低いので座っていてとにかく疲れる。脚は痛いし、お尻も痛くなるし、背中も苦しい。かなり詰め込まれるので、狭いのもしんどい。最後列なら座面が高いので座りやすいとは聞いたが、早く埋まることが多く、それよりなにより、私のように目当てのキャストを見に来た客は、わざわざ後ろに座ろうとは思わないだろう)


物販は、公演パンフレット(2000円)のみ購入。

上演時間は、前説(?)によれば、1時間48分。所見のステージは、14時開演で、カーテンコールが終わったのが、15時54分ぐらいだった。途中休憩は、なし。

ダブルキャストは、空組の出演回。


朝倉薫プロデュース公演とか朝倉薫演劇団というのが活動しているのは知っていたが、自分には縁がなさそうだと思っていた。(若い女の子たちを集めて、アングラっぽいお芝居をするのかな、などと想像していたが、今回の舞台を見るとそういうことでもなさそう) まさか劇団東俳から何人もが出演するようなことが起きるとは思わなかった。とはいっても、井越有彩さんは、初演のときも同じ役で出演したのだったか。

パンフレットの記述によれば、今回の再演ではうたを増やして、よりミュージカルらしくしたとある。

脚本の麻草郁というひとは、検索すると、アリスインプロジェクトの作品を多く手掛けているようだ(最初に名前を見たときは、演出者の別名義かと思った。だってよく似てる名前でしょ)。若い女性キャストのみでのプロデュース公演という意味では、似た系統といえるのかな?
アリスインプロジェクトにも、このところ、井越有彩さんをはじめ、劇団東俳からの出演があったから、こうなる流れがあったのかも。

「遥かなるミドルガルズ」は、一部ダブルキャスト。主役を含む3名が「バクステ外神田一丁目」とかいうアイドルグループのメンバーで、劇団東俳からは7人が出演していた。(私が見た「空」組のステージは、東俳の女の子は6人出演=井越有彩、倉持聖菜、小島一華、入江怜、小泉優泉、橋口叶子)


マンガ好きの転校生・静(朝倉ゆり)は、学園では一匹狼的な結衣(久保木琴音)と親しくなるが、いやおうなく生徒会派と自治会派の対立に巻き込まれるなか、特別な力に目覚める。が、突如として、生徒会長の光(井越有彩)、自治会リーダーの佑(大串泉)、そして結衣とともに、別の世界に飛ばされてしまう。この4人の少女たちが、もとの世界に戻るため&地球を救うために異世界での戦いに挑んで行く、というお話で、女の子たちによる冒険ファンタジーだが、異世界(アースガルズ)での戦いが地球(ミドルガルズ)の命運とも直結しちゃうという展開は、いわゆるセカイ系っぽいし、魔法少女ふうの味付けもある。

ステージが小さいこともあり、ダンスや立ち回りは窮屈に見えるし、本格的とはいい難いが、主演グループの4人がそれぞれ個性的で、舞台がはじまると、けっこう早い段階で惹き込まれた。ただ、この舞台は、何人かのキャストに魅力を感じられないと、楽しめないのではないかな…
うたが生(ナマ)の声だったのが、よかった。ナマ声でのうたというと、それこそ、劇団東俳の自主公演っぽい感じもするから。

バクステ外神田一丁目については全く知らないけれど、朝倉ゆりさんというひとが、役柄に上手くハマっていて、かわいく見えた。この舞台は、マンガの世界にあこがれる大人しい少女だった静が、冒険や戦いのなかで成長するストーリーでもある訳で、そこをもっと強調した構成でもよさそうな気がした。

ミドルガルズとアースガルズとで、二役を演じる出演者の、そのふた役は効果的。たとえば、小島一華ちゃんも、生徒役と海賊船の乗組員と、ふたつの役での出演があることで、見どころも増えている。

入江怜ちゃんに存在感があって、目を惹かれた(「ピノッキオ」のタイトルロールを思い出した)。

シーンの背景は、後方のスクリーンに映し出される映像がになっていた。