奇跡の人 (天王洲 銀河劇場)


「奇跡の人」

(ウィリアム・ギブソン 作、常田景子 翻訳、森新太郎 演出)

10月16日(木)に、天王洲 銀河劇場で、昼の部を観劇。

13時30分開演。

ロビーに掲示されていた上演時間は、一幕55分、休憩10分、二幕65分、休憩10分、三幕50分。

所見の回の終演は、16時47分ぐらいだった。


子役のセアラ(盲学校の生徒)は、山田メリノちゃんの出演だった。髪は、かつら。

少年(ジミー)は、別の役者が演じるので、今回の子役は兼ねてはいない。

ダブルキャストの宝井ひなのさんという子は、事前には全く情報がなかったが、公演プログラム(1300円)の紹介によれば、2001年生まれ、東宝ジュニア。特技は、合気道

セアラ役の子役は、どちらも、初舞台とのことだ。


演出家が替わったことで、セットが一新されたのが、何より印象的。水を汲むポンプの位置が前回とは逆になって、今回は下手側になっていた。座席が、下手ブロック中央寄りの2列目だったから、そのポンプを見て、ちょっとわくわくした。ラストの「ウォーター」のシーンは、ほとんど目の前で、ヘレンの見えない瞳の動きまでが分かる臨場感があった。一幕で、ヘレンがアニーを部屋に閉じ込めて、そのカギを落とすのもよく見えた。

下手側の最前列の座席には、件の場面で水が飛んで来ることがあるとの注意書きの紙があった。

鈴木裕美演出のときは、回り舞台を使ったり、(ケラー家での)アニー・サリヴァンの部屋がちゃんと2階建てのセットの2階部分にあるなど写実的なところがあったが、今回の舞台のセットは抽象的で、本舞台で順次シーンが展開して行くとともに、その手前(幕があれば幕前に当たるだろう位置)が一段低くなっていて、そこが屋外として使われるので、ポンプも下手側のそこにある。

この芝居には、ベルという犬が出て来るが、本物の犬は登場させず、犬のパペットを役者が操作していた。ケラー家の召使いたちのメイクは、リアルではなく、使用人たちは黒人ですよということを示すような記号的なものに見えた。

カーテンコールは、主演のふたりはいっしょに出て来るものの、アニーが最後になる。ふたりの並びも、アニーが上手側、ヘレンが下手側なので、戯曲のタイトルどおりにアニー・サリヴァンのほうを上に扱っている。
カーテンコールでの子役の立ち位置は、下手側で、オールキャストが並んだときは、下手の端。

木南晴夏さんの演技は、映像でしか見たことがなかったが、予想していた以上に声が通るひとだ。プロフィールを見ると、実年齢は、29歳。ということは、アニー・サリヴァン役としては、前任者ふたり(鈴木杏田畑智子)のほうが、若くして演じたのだね…


ところで、今回の「奇跡の人」の公演日程を見ると、主演女優ふたりが関西出身なのに、大阪公演は一日しかやらないのか。

余談だけれど、高畑充希さんの次の舞台「いやおうなしに」は、埼玉公演があるのだが、会場が埼玉会館だとは。→http://www.parco-play.com/web/program/iyaou_kaat_saitama/


[奇跡の人(キャスト)]

木南晴夏(アニー・サリヴァン)  高畑充希(ヘレン・ケラー)

馬渕英俚可(ケイト・ケラー) 白石隼也(ジェイムズ・ケラー) 平田敦子(ヴァイニー) 北川勝博(アナグノス、召使い) 青山伊津美(医師、ハウ博士)
梅沢昌代(エヴ伯母、看護士)  立川三貴(アーサー・ケラー)
上地春奈(パーシー、ローラ) 鈴木崇乃(犬使い、ビアトリス) 染谷麻衣(マーサ、アリス) 畑山菜摘(少年) 宝井ひなの(セアラ Wキャスト)・山田メリノ(セアラ Wキャスト)