拉致問題啓発演劇公演「めぐみへの誓い−奪還−」(神奈川県立青少年センター ホール)
4月29日(火・祝)に、神奈川県立青少年センターホールで行われた、
拉致問題啓発演劇公演「めぐみへの誓い−奪還−」横浜公演
を観劇。
見たのは、2回公演あったうちの、1回目で、午後2時開演。
開場時刻の15分前ぐらいに会場に着くと、すでに多くのひとが並んで、入場の列をつくっていた。
神奈川県立青少年センターへは、桜木町駅から徒歩で10分程度だが、けっこうな坂道がある。
事前応募制の無料公演で、入場の際には、二つ折りのプログラムといっしょに、拉致問題についての啓発資料が配付された。
主催は、政府拉致問題対策本部、神奈川県、横浜市、川崎市、相模原市。
幕が開くと、舞台には、拉致問題担当大臣、神奈川県知事、川崎市長、横浜市と相模原市の副市長が椅子に座って並んでいた。司会の女性の進行で、古屋大臣、黒岩県知事、川崎市長からの挨拶があり、副市長は紹介のみ。川崎市には、横田滋夫妻が現在お住まいとのこと。
横田滋氏の姿は客席に。黒岩知事の挨拶のなかで、「めぐみ 引き裂かれた家族の30年」というドキュメンタリー映画にふれて、フジテレビが特例としてニュース映像を提供したものだといっていた。
大臣は、公務のためとのことで、しばらくして途中退席したが、大臣には、SPが付いていて、さすがにものものしかった。客席最前列にぽつんとひとつ関係者席があって、なんだろうと思ったら、護衛のひとが座ったようで、大臣退席後は空席になっていた。
その後、内閣官房の拉致問題担当審議官というひとから、配付された資料をなぞるかたちで、政府の対策や状況等の報告があって、ここまでが、34分ぐらい。
舞台準備のためといって、休憩が10分。そのあと、すぐにお芝居がはじまるかと思ったら、上演前に、作・演出の野伏翔氏が紹介されて登場し、幕前で演出家の挨拶。
「めぐみへの誓い−奪還−」は、もともとは二幕構成で正味の上演時間が2時間余りあったものを、約80分に再構成した内容。
子役の出演シーンでは、双子の弟役は登場せず(大人役では登場する)、めぐみちゃんのバレエの発表会のシーンも割愛されているなど、展開は急ぎ足。横田めぐみさんの少女時代の番場智美ちゃんは、熱演と制服姿の初々しさとが相俟って、哀切。
「めぐみへの誓い」では、当初は俎上にのぼらなかった拉致という現実が徐々に明らかになって行く過程が織り込まれてもいるのだが、そのあたりの事件をめぐる年月の経過の部分は、本公演時よりも簡単になっていて、たとえば、かつては拉致疑惑を訴えてもなかなか相手にされなかった時代があったことをえがいた街頭の場面は、カットされていた。
本来の舞台から40分もの短縮版、という感じはしなかったものの、紀伊國屋サザンシアターや俳優座劇場で見たときに較べると、しんどさがちがうとは思った。正味2時間の公演のときは、見ているのが、もっと苦しく感じるときがあったから。
(野口美羽さんが出演していたが、小さい頃の出演を見て以来で、どの役なのかなかなか分からなかった…。そういえば、昨年の公演のときには、野口夏佳さんが制作に名を連ねていた)
午後4時閉会の予定だったが、終わったのは、午後4時25分。「めぐみへの誓い−奪還−」のカーテンコールの幕が下りてそのまま終わりではなくて、司会の女性が再登場して、ひとことあっての終会。
開演前のアナウンスから、大臣や知事の挨拶、お芝居の上演中まで、手話通訳がついていた。([補記] 私の座席からは見えなかったが、ステージの上手端では大型モニターにセリフなどを映し出してもいたようである)
このお芝居は、見る側も少なからぬ緊張を強いられるが、上演する側は相応の決断や覚悟が要っただろうことも改めて考えさせられた。
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