年忘れ新派公演「三婆」(新橋演舞場)の子役


年忘れ新派喜劇公演「三婆」

12月1日(日)〜23日(月・祝)、新橋演舞場


2日に、夜の部を観劇。

午後4時開演で、35分と10分の幕間があって、7時20分終演の予定だったが、所見の回は、カーテンコールでは「三婆+一爺」からのあいさつもあって、7時28分ぐらいに終わった。(※3日付で、上演時間は、休憩込みで3時間30分に改まった模様)

公演プログラム、1200円。


配役は、

波乃久里子(武市松子) 水谷八重子(富田駒代) 沢田雅美(武市タキ) 笹野高史(専務 瀬戸重助)

鴫原桂(武市家お手伝い 花子) 鈴木章生(八百政店員 辰夫) 村岡ミヨ(料理屋の手伝い 常子) 井上恭太(運送屋 丸島/新婚の夫 山田吾郎) 半田真二(武市産業社員 馬場) 三原邦男(葬儀屋 重藤/植木屋 田中) 矢野淳子(福祉事務所員 山川) 久藤和子(女中 きよ子) 松村沙瑛子(新婚の妻 山田和子) 木内宣輝(葬儀屋 森/運送屋 千石) 谷坂寛也(武市産業社員 田所) 西田裕子(福祉事務所員 常見) 田口守(区役所員 二上)

正子(辰夫、花子の娘): 吉岡愛実・古川愛紗 (ダブルキャスト)


今年8〜9月に行なわれた巡演と同じ「小幡欣治 脚本、齋藤雅文 演出」の新派公演だが、一部キャストが替わり、巡演ではカットしてあった第三幕の子役も出演している。

巡業に子役を起用するのは面倒だが、同じ劇場での1か月公演なら子役を使う、ということかな。

今回の子役(正子)が持っているぬいぐるみは、小幡欣治演出のときのような、オバQドラえもんではなくて、くまのぬいぐるみ。お持たせバウムクーヘンも食べなくなっていた。

衣裳は、半袖 ノースリーブのピンクのワンピース(襟は白)に、薄いピンクのストラップシューズ、フリル付の白ソックス。


古川愛紗(ふるかわあいしゃ)ちゃんという子は、ジョビィキッズなのだね。プロフィールを見るとまだ芸歴が載っていないので、
http://jobbykids.jp/profile/profile.cgi?x=view&id=2721
初舞台でしょうか。

吉岡愛実(よしおかまなみ)ちゃんは、歌舞伎をはじめ、舞台の子役としてはすでにおなじみ。テアトルアカデミー。先月(11月)は、明治座に出ていた。


子役が出る新派の「三婆」を見たのは、ちょうど7年前の同じ演舞場での年忘れ新派公演以来。そのときも同じ笹野高史=瀬戸重助だったが、第二幕の荷物を運ぶシーンの演技は、今回もまた笑わせる。役とはいえ、あれを笑わずに見ていないといけない松子は大変だろうな、と思う。

「三婆」という芝居は、東宝でも新派でも見るたびにおもしろく感じる。というのは、見る側の自分がだんだんと年をとって来て、舞台の上の「三婆+一爺」の姿が、いずれはわが身だという思いが芽生えて来たからでもある。

舞台の設定は昭和38、39年と昭和54年なのだが、とくに第三幕はいま見てこそまさにリアルな現実である。
ただ、私は、決して、第三幕にえがかれる「三婆+一爺」の姿を不幸だとは考えないし、そう単純に思わせないところにこの作品が再演され続けている理由もあろう。