「安部公房とわたし」と「海潮音」と丸山健二


山口果林安部公房とわたし」(講談社、1500円税別)

http://bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2184672


この本は、タイトルや宣伝のされ方からしても、著者が安部公房との関係をつづった暴露本的な内容が注目されているのだろうけれど、安部公房という作家にさほどの関心がある訳ではない私には、女優・山口果林の自叙伝という意味で、おもしろかった。自身の生い立ちや家族のこと、女優としての仕事について書いた部分が、なにより、読みどころだ。

ただ、内容が内容だけに、安部公房とともに過ごした過去の事実に居直ったような感じがどうしてもしてしまう。

私は若い頃に丸山健二の書くものが好きだったこともあって、安部公房丸山健二に電話をかけたのに素っ気なくされたというエピソードは、すごくおもしろい。


そういえば、丸山健二文学賞というのがはじまるのだったね。
http://shinjindo.jp/contents/maruyama_award.html


安部公房とわたし」を読んでいて、むかし見た映画「海潮音」をもういちど見たくなった。「海潮音」は、昨年、DVDが発売されていて、それを買うことにした。

http://www.kingrecords.co.jp/cs/g/gKIBF-1083/

当時の荻野目慶子ちゃんはかわいかったが、「安部公房とわたし」によると、この映画の撮影は、1980年3月5日にロケに出発し、4月11日までだったとあるから、中学3年〜高校入学の時期に撮ったことになる。