GoGo!パンダ'72 (三越劇場)


三越劇場夏休みミュージカル「GoGo!パンダ'72」

脚本:スミダガワミドリ
音楽・演出:神尾憲一
歌唱指導:片桐和子
振付:源川瑠々子
タップ振付:RoseLove

を観劇。

過去ログのこの↓公演。
http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20130626/p1(三越劇場夏休みミュージカル「GoGo!パンダ'72」キャスト)


見たのは、8月9日(金)の11時30分開演のステージで、ダブルキャストの子役は、パンダ組。

幕間休憩が15分あって、午後1時40分終演予定。所見の回は、1時44分に終わった。

1階客席は、2列が最前列。私の席は、公演の4週間前ぐらいに三越劇場の窓口で買ったチケットで、1階3列だった。


公演プログラム、1000円。神尾憲一氏が4ページにわたって、自身とカンパニーのこれまでについて書いている。スミダガワミドリという名前は、脚本や作詞を手掛ける際の別名とのことだから、この公演の脚本から作曲、演出、プロデュースまでほとんどすべてということだ。私は、劇団東少のミュージカルはいちども見たことがないし、このひとの作品は今回はじめて見たのだと思う。


「GoGo!パンダ'72」の主役は、両親を亡くして都会に住む叔母に引き取られた末広さくらという女の子だが、1972年の東京と東北を舞台に、さくらの両親の実家であるふたつの家のひとびとの話でもある。さくらはもちろんだが、そのいとこたちにもかなり比重が置かれていて、そこに親世代たちが関わって展開して行く。

末広さくら(岸瑞歩)の母方の従姉妹が、末広マリア(山井香凜)と佐久間直美(阿部日菜子)。さくらの従兄弟で直美の兄が、佐久間義明(古田一紀)。さくらの父方の従姉妹が、折笠ぼたん(小野寺真央)。
プログラムには、このミュージカルの登場人物の家系図が載っているので、事前に見ておくと、人物関係が理解しやすい。

設定やエピソードをひとつひとつで見てしまうとどれもありがちだし、結末のつけ方もちょっとまとめ過ぎに思えるけれど、でも、それらを、主人公の少女と4人のいとこたちという人物配置で結びつけて見せたところがなかなかよくて、おもしろかった。

メインナンバー(曲名は分からないけど、パンダのうたと、夢の銀座とかいうの)が効果的に使われて、終演後も耳に残る。所見の回の客席は、お世辞にも盛況とはいい難かったけれど、昭和への郷愁も加わって、猛暑の最中の気持ちがなごまされる時間になった。


さくらをはじめ、子役にしどころや見せ場があって、マリアと直美は、どちらもとてもいい役。女の子の子役たちには、ソロナンバーもしくはソロでうたう部分がそれぞれある。大都会の妖精たちは、舞台の進行役でもあり、都会だけでなく田舎にも現われて、妖精役の子役3人も舞台にいる時間は長い。(「ムラサキ」と「ナゴン」というのは紫式部清少納言で、他の妖精たちは式神なのだと)


主役のさくらちゃんは、衣裳が替わるまでの前半は、まるっきり男の子みたいだ。

山井香凜ちゃんのマリアが、すごくかわいかったね。おいしい役柄でもある。

石井晏璃ちゃんは、さくらの母親の子ども時代で、回想シーンの疎開児童の役。ソロナンバーがあって、二幕とも出るのだけれど、他の子役と較べると出番が少な過ぎると思う。


パンダが来た年といえば、私も親に連れられて上野動物園にパンダを見に行ったらしいのだが、子ども過ぎて全く記憶がない。長い時間並んで、パンダのお尻しか見えなかったという話は、何度も聞かされたが…。