横溝正史生誕百十周年記念 杉本一文カバー復刻


『2012年が横溝正史生誕百十周年にあたることから「横溝正史生誕百十周年フェア」を開催中(〜2012年12月末)。横溝作品のカバーイラストで独特の世界観を表現した杉本一文氏が手がけた往年の名カバー25作が角川文庫に甦る。』

ということで、角川文庫の横溝正史作品が、懐かしい復刻カバーで書店に出ていた。

対象作品は、↓の25冊。
http://www.kadokawa.co.jp/sp/201205-02/

(「真珠郎」がないのは、ちょっと残念な気もする)

いい機会なので、2つ、3つ再読してみようと思い、とりあえず、「悪魔の手毬唄」を買って来た。

子ども時分に、ちょうど横溝正史ブームがあって、横溝作品が次々に映画化され、ドラマにもなったが、それ以上に、角川文庫のカバー絵の不気味さは、印象が強烈だった。

中学校の同級生に、映画の原作を買ったものの、カバー絵が怖くて書店カバー(書皮)を外せないという女の子がいたのを憶えている。

私はといえば、「夜歩く」だったか、あるいは「人面瘡」だったのかを読んだときだと思うが、「夢遊病」というのがあると知って、もしかして自分も、寝ているつもりで知らないうちに、夜中、家の内外を歩き回っているのではないかとの妄想にとらわれて、怖くなったりした。


先日のことだが、読みたい本が途切れた折に、山本周五郎「樅ノ木は残った」を再々読したところ、以前とはちがう読後感を持った。横溝作品も、いま再読すると、おもしろそうだ。小、中学生の頃に読んだといっても、年齢的にどこまで理解して読んだのかとも思うし、すでに記憶は曖昧だから、きっと楽しく読めるだろう(とはいえ、「悪魔の手毬唄」は、映画を何度も見ているのだった…)。