みんな我が子 (新国立劇場小劇場) その4


「みんな我が子」
(アーサー・ミラー 作、伊藤美代子 翻訳、ダニエル・カトナー 演出)

新国立劇場小劇場で、12月17日(土)の昼公演を観劇。

14時開演。

4回目にして、この舞台の観劇はこれが最後。


東京公演開幕の少し前ぐらいか、チケットぴあに最前列や2、3列目の席がずい分出て来て、この回のチケットは、1回目の観劇後に、その最前列を買ったもの。あまりの良席に惹かれて、さらに買い足そうかとも思ったが、さすがに、この作品を短期間に5回以上見るのはしんどい気がして、自制した。

今回の「みんな我が子」は、計4回見たうち、坂口湧久くんの出演は2回。2勝2敗の5割には持ち込めたし、この日は、ねらい通りに、最前列で湧久ちゃんバートを見られたから、終わりよければ全てよしといったところ。

坂口湧久くんは、やっぱり、かわいくていいよね。いま、男の子の子役では、いちばんかわいい。


そのバート少年は、最初の出番のときの、ジョー・ケラー(長塚京三)との会話のなかで、ケラーおじさんの家に銃があることをいっている。それが、この芝居の最後に、ジョーが銃で自殺するという結末を迎える伏線でもあろう。

いまの日本人の感覚からすると、アメリカは銃社会だとの先入観があるから、最後に銃声が響いても、当時もアメリカの家には銃のひとつぐらいあったのだろうと思いがちだが、この芝居は、早い段階で、近所の男の子(バート)とジョー・ケラーとのやりとりのなかで、さりげなく、銃の所有を観客に提示している。

バートは、トミーという仲間の少年が、きたない言葉を使ったとジョーに訴えるのだが、そのきたない言葉をバートは口にしないので、具体的にはされない。


この、17日昼の部では、クリス(田島優成)が最初の登場のときに、パン(だよね?)を落とした。息を吹きかけたりして、汚れを払うアドリブがあって、結局、いつもどおりに食べた。

第二幕のぶどうジュースは、席が近いと、匂いがして来る。

アン(朝海ひかる)とクリスが、リンゴをかじるシーンがあるが・・・あのシーンを見ると、むかしむかしにやっていた、福田豊土出演の、りんごをかじると歯ぐきから血が出ませんかとかっていう、歯磨き粉のTVCMを思い出す。
リンゴってさ、まるごとかじると、皮が歯に挟まりそうだし、見ただけで酸っぱそうで、どうも好きになれない。