コロッケ特別公演「棟方志功物語」(明治座)


7月30日(土)に、明治座で、コロッケ特別公演を見た。16時開演の回である。

演目は、

棟方志功物語」(脚本:田中貴大、脚色・演出:大河内日出雄)
コロッケオンステージ ものまねエンターテインメント2011(ショー演出:滝川広志)


公演プログラム、1000円。

当日表示されていた上演時間は、「棟方志功物語」1幕 55分、休憩30分、「棟方志功物語」2幕 55分、休憩30分、コロッケオンステージ 80分。じっさいは、終演予定より、6、7分長くかかった。

というように、上演時間が長いので昼の部のお客さんがなかなかはけなくて、夜の部の開場は遅れる傾向のようだ(開演は時間どおりだった)。

早く着いたので、開場までの時間つぶし&腹ごしらえに、通りを挟んで明治座のすぐ前にある蕎麦屋にはじめて入った(招福庵という店)。きわめてふつうのお蕎麦屋だった。今度からは、明治座に来たら、ここで蕎麦を食おう。


棟方志功物語」は、青森の裁判所で給仕をしていた志功が画家を志して東京へ出て、落選を重ねながらもようやく帝展に入選するものの、我流の壁に突き当たるが、ついに、善知鳥の逸話から想を得た版画で自らの芸術に開眼するまでがえがかれる。棟方志功の年譜に照らし合わせると、1924(大正13)年から1938(昭和13)年までを芝居に仕立てたことになる。妻・チヤに熊谷真実、(柳宗悦とおぼしき)柳川宗観を左とん平、(河井寛次郎らしき)河上寛次郎が長谷川哲夫である。

展開といい、テンポのゆるさといい、典型的ないかにも明治座なお芝居。リラックスしては見られるが、私は、もうダレダレ。なかでも、転換つなぎの幕前芝居が、ツライ。実在の人物が主人公なのだから、画像とナレーション(あるいは語り手)で、観客へ棟方志功に関する基礎情報を提供しながら、場をつなげばいいのに、と思う。
第2幕の「善知鳥」のシーンが、クライマックスらしい見せ場になっている。

棟方志功といっても名前程度しか知らなかったのが、観劇後は、経歴(年譜)を調べるぐらいのことはしたので、そういうきっかけとしては有効である。(コロッケ公演で棟方志功というと、過去に名古屋かどこかでやっていたと思うが、同じ内容なのだろうか?)


出演の子役は、以前のエントリーのとおり。
http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20110713/p3
http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20110705/p3

節子は、1幕がはじまると間もなく主役とともに登場する。白い服、とくに白タイツが、かわいい。工藤優ちゃんの出演だったが、おかっぱのかつらはかなり印象がちがって見える。「あつくて、あつくて。ポッ」とかいって、志功とチヤを冷やかすのがおもしろいな。
カヨというのは、志功の娘役で、終幕(ねぶた祭の場)になっての出演。


お芝居から一転、「コロッケオンステージものまねエンターテインメント2011」が、楽しめる。やはり、こちらが本領(演出もご当人)。スクリーンを使って表情をアップで映すので、舞台から遠い座席でも、ライブのモノマネの面白さは充分味わえるだろう。